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超低電力ワイヤレスSoCとエッジ向け機械学習プラットフォームが統合:人工知能ニュース
Nordic Semiconductorは、Neuton.AIの知的財産および主要技術資産を買収した。Neuton.AIは、エッジ向けプラットフォームを提供しており、「nRF54」シリーズ超低電力ワイヤレスSoCと統合する。
Nordic Semiconductor(以下、Nordic)は2025年6月17日、Neuton.AIの知的財産および主要技術資産を買収したと発表した。
Neuton.AIは、エッジデバイス向けの完全自動化TinyMLプラットフォームを提供しており、Nordicの「nRF54」シリーズ超低電力ワイヤレスSoCと統合することで、小型で高効率なエッジAI(人工知能)デバイスを迅速に提供できる。
TinyMLは、5KB未満というモデルサイズのML(機械学習)モデルを完全自動で生成できる。従来技術に比べて最大10倍の小型化となり、専門的なチューニングやデータサイエンスの知識が無くとも8、16、32ビットMCU上での実装が可能だ。
Nordicは今後、Neutonの技術を同社の全てのワイヤレスSoCに展開し、低消費電力なAIデバイスの開発を可能とする。TinyMLチップの出荷額は2030年までに59億米ドル(約8700億円)に達する見込みで、Nordicは予知保全やスマート健康モニタリング、プロセス自動化、ジェスチャー認識など、さまざまな用途に対応できるAI、MLツールキットを提供する体制を整えるという。
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