そっと“鶴”もつかめる、早大発3軸触覚センサーでロボットハンドに触感:Smart Sensing2025
XELA Roboticsは「Smart Sensing2025」において、同社の3軸触覚センサー「uSkin」を使った協働ロボットによるデモンストレーションを行った。
XELA Robotics(ゼラロボティクス)は「Smart Sensing2025」(2025年6月18〜20日、東京ビッグサイト)において、同社の3軸触覚センサー「uSkin」を使った協働ロボットによるデモンストレーションを行った。
磁界の変化で3軸の力を検知、ハンドに容易に装着
XELA Roboticsは、早稲田大学発のベンチャーとしてアレクサンダー・シュミッツ氏(同社 CEO)によって2018年に設立された。
同社の3軸触覚センサーであるuSkinは、エラストマーなどの柔らかい素材と、その中に埋め込まれた磁石、そして磁石によって発生する磁界の状態を検知する磁気センサーで構成される。外力を受けてエラストマーの形状が変化すると中の磁石が動き、それに伴う磁界の状態の変化を磁気センサーで捉えることで、圧力やせん断力を測定。ロボットハンドの動きなどにフィードバックして制御でき、ロボットのグリッパーにuSkinを装着することで、ロボットに人間のような触感を与えることができるという。
標準でデジタル出力に対応しており、アナログ/デジタル変換器は不要で、ケーブルの数が少なく済む。測定周波数は500Hz(uSPa 11の場合)、分解能は0.1グラム重(gf)、最大測定可能垂直抗力/タクセルは1500(uSPa 44の場合)となっている。大学や企業の研究開発用途に引き合いが多いという。
会場のブースでは、折り鶴をグリッパーで柔らかく把持したり、分銅を把持した際の“滑り”の力を検知して重さを計測したりするデモンストレーションを行った。「uSkinは薄く、かつ、3軸の力を検知できる。uSkinを使うことで異なる素材や固さに対応でき、通常のグリッパーではできなかった把持が可能になる」(同社 営業部長の鈴木孝氏)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
力づくのイノベーションで変革起こす、ロボットの手に目を与える視触覚センサー
「ロボット×DX」をテーマに、さまざまな領域でのロボットを活用したDXの取り組みを紹介する本連載。第8回は、視触覚センサーを用いた独自のエンドエフェクターを開発するFinger Visionを取り上げる。“現場に寄り添うロボット”で自動化推進、初開催の関西ロボデックスレポート
2025年5月14〜16日、インテックス大阪にて「関西Factory Innovation Week 2025」が初開催された。本稿では、同展示会の構成展の1つである「ロボデックス」に出展した企業の中から注目の製品やサービスを紹介する。“リアルを解決”する現場目線の技術やサービス、関西スマート工場EXPOレポート
2025年5月14〜16日にインテックス大阪で「関西Factory Innovation Week 2025」が初開催された。本稿では、構成展の1つである「[関西]スマート工場EXPO」出展ブースの中から特に印象的だった企業を紹介する。小スペースの梱包運搬パレタイズ自動化ライン、山善がロボットやAMR活用
山善 トータル・ファクトリー・ソリューション(TFS)支社は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」において、AMR(自律型搬送ロボット)や協働ロボットを活用したコンパクトな全自動ラインソリューションのデモンストレーションを行った。タブレットに“さらさら”でティーチング終了、安川電機がデモ
安川電機は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」において、「食の大変革」をテーマに各種のソリューションを出展した。