エンジニアの転職理由は「収入」「評価が適正でない」――経営者の認識との差:キャリアニュース(2/3 ページ)
ネオマーケティングらが「経営者とIT関連部門の認識ギャップ調査」の結果を発表した。経営者の約7割が従業員を正しく評価できていると回答したが、エンジニアの転職理由の2位は「評価が適正でない」だった。
IT関連部門の社員は61.3%が人事評価に不満
次に、事業会社のシステム部門、SIerなどIT関連部門の従業員に、人事評価に不満があるかを尋ねた。結果は「とてもそう思う」が21.3%、「ややそう思う」が40.0%となり、合わせて61.3%が不満に思っていた。年代別では「40代」が62.7%、「50代」は62.1%が不満に思っていると回答し、他の年代よりもやや高い傾向が見られた。
「正しく評価されていないと思うか」という質問への回答を、従業員規模別に見ると、従業員数50〜100人未満の企業のエンジニアは「とてもそう思う」が33.3%、「ややそう思う」が43.3%と回答し、合わせて76.6%が正しく評価されていないと感じていることが分かった。
また、「どのように評価されるかは自分にとって重要なことだと思うか」と尋ねた。従業員数50〜100人未満の企業のエンジニアは「とてもそう思う」「ややそう思う」がいずれも43.3%となり、合わせて86.6%が重要だと思っていた。
エンジニアが人事評価で満足している部分も尋ねた。その結果、従業員規模を問わず、人事評価に「満足している部分はない」が最も多かった。満足している部分の中で最も多かった項目は「公平だと感じる」(19.3%)だった。
次に、別の設問で転職意向を聞いた際、「とても転職したい」「やや転職したい」と回答した人にその理由を尋ねた。全体で最も多かったのは「収入を上げたい」で、49.0%が回答。エンジニアに限定した場合も「収入を上げたい」が51.8%で最も多かった。次に多かった回答は「評価が適正でないと感じる」(全体42.6%、エンジニア46.5%)だった。
「収入を上げたい」「評価が適正でないと感じる」の、2つの項目から「自分の価値が正当に認識されていない」という根本的な不満があると見られる。また、先述したエンジニアの人事評価に対する気持ちに関する質問でも、エンジニアは評価制度に対して期待しながら、その実感が得られていないと感じていた。収入や評価が転職の意思決定に大きく関わっていることがうかがえる。
転職先を検討する際に重視する点は、全体では「収入」が最多で60.1%、次の「業務内容や裁量」が43.7%だった。エンジニアに関して見ると、「受託・支援事業のエンジニア」は「評価制度」が42.4%で、事業会社のエンジニアよりも9.8ポイント高かった。また、「受託・支援事業のエンジニア」は「リモートワークの有無」が51.5%で、事業会社のエンジニアより12.4ポイント高かった。
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