すしロボットが進化、IoT対応へ 鈴茂器工が2025年夏発売の新製品で:FOOMA JAPAN 2025
鈴茂器工は「FOOMA JAPAN 2025」において、2025年夏に発売予定のすしロボットの新製品を披露した。
鈴茂器工は食品製造総合展「FOOMA JAPAN 2025」(2025年6月10〜12日、東京ビッグサイト)において、2025年夏に発売予定のすしロボット「SSN-KTA」を披露した。
国内で年間3000台出荷、IoT対応で食品ロス削減へ
1961年設立の鈴茂器工は当初、菓子の製造機器メーカーだったが、1970年代に減反政策が進む中、米の消費拡大と米飯文化の普及のため“すしの大衆化”を目指して1981年にすしのシャリの部分を作るすしロボットを開発した。現在では、すしだけでなく、おにぎりや海苔巻き、弁当の盛り付けなどさまざまな米飯加工機械を開発、製造している。
すしロボットは、ホッパー(容器)に酢飯を投入すると、中で攪拌し、ほぐしながら下に押し出し、シャリ玉に成形していく。最後はくし歯で傷つけないように切り出すことで、空気を抱いてふっくらしたシャリ玉が出来上がる仕組みになっている。後は、ネタを乗せるだけですしとして提供できる。大手すしチェーン店やスーパーマーケットのすしコーナーなどで使用されており、鈴茂器工は国内向けには年間約5500台のすしロボットを出荷しているという。
新製品は、1時間に4800貫という生産能力は従来機と変わらないが、オプションとしてSAV(Suzumo After Value)と名付けたIoT(モノのインターネット)対応を図る予定だ。詳細な機能はまだ開発中だが、生産数量や酢飯の残量データから遠隔で廃棄量を管理できるようになったり、エラー履歴や機械の設定値をモニタリングすることで万が一の際のダウンタイムを削減したりすることも可能になる見込みだ。また、位置情報の取得により、移設した機械の把握もできるようになるという。
「複数台導入しているチェーン店などでは、残量が少ないから次の酢飯を準備するのか、閉店時間間近で新しく炊いても食品ロスになるからこのままでいいのか、といった管理も本部でできるようになる。チェーン店が増えると、各店舗の状況が本部からはどんどん見えなくなっていくため、それらを可視化したいというニーズが出ている。機械の状態が分かることで、われわれのアフターサービスもより向上できる」(鈴茂器工の説明員)
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