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国内新車生産は3社が2桁パーセント増、前年同期からの反動増で自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

2025年4月の日系自動車メーカーの生産は、メーカー各社によって明暗が分かれた。トヨタ自動車やダイハツ工業が2024年の認証不正問題の反動などで大幅にプラスとなった一方で、中国での販売低迷などによりホンダや日産自動車の生産が大きく減少した。

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スズキ

 スズキの4月のグローバル生産は、前年同月比0.4%減の27万2972台と微減で、3カ月連続のマイナスだった。それでも2位のホンダが不調のため、その差は6122台と小差だった。

 伸び悩みの原因は国内生産で、前年同月比11.3%減の7万6884台と3カ月連続で減少した。中央発條の爆発事故の影響で「ソリオ」「スイフト」などを生産する相良工場の稼働を停止したほか、欧州向け「ジムニー」や「イグニス」の生産終了、前年より稼働日が1日少ないことも影響した。輸出もイグニスの生産終了など欧州向けの減少で同28.4%減と、4カ月連続で減少した。

 海外生産は好調で、前年同月比4.6%増の19万6088台と3カ月連続のプラス。世界生産の6割超を占めるインドは、SUVの販売好調や輸出の増加に加えて、24年4月のマネサール工場の新ライン稼働、25年2月にはブレッツァを生産するハリヤナ州のカルコダ工場の操業を開始した結果、同6.1%増と7カ月連続で増加。4月として過去最高を更新した。ただ、ハンガリーなどインド以外の海外生産は同9.4%減と26カ月連続で減少した。

日産自動車

 8社の中で最も厳しかったのが日産だ。4月のグローバル生産は、前年同月比15.4%減の22万3649台と11カ月連続のマイナスだった。このうち国内生産は、同19.1%減の4万4056台と14カ月連続のマイナス。北米の主力車種である「エクストレイル/ローグ」の台数減が響いたほか、国内販売でも「セレナ」や「ノート」など主力モデルが軒並み大幅に台数を落とした。輸出もローグやEV「アリア」の不調で同14.8%減と低迷し、6カ月連続で前年実績を下回った。

 海外生産も伸び悩み、前年同月比14.4%減の17万9593台と11カ月連続で前年実績を下回った。米国はローグなどの台数減により同19.9%減と12カ月連続のマイナス。メキシコも「セントラ」が落ち込み同10.0%減と2カ月連続で減少した。販売競争が厳しい中国はエクストレイルなどの減少で同11.4%減と低迷が続いており、11カ月連続のマイナス。英国も「リーフ」の生産終了や「ジューク」の減少により同28.0%減と11カ月連続で減少するなど、全ての地域で前年実績を下回った。

ダイハツ工業

 8社の中で最も大きな伸びを示したのがダイハツだ。4月のグローバル生産は、前年同月比47.8%増の10万6948台と大幅に増え、5カ月連続のプラス。これは前年の国内生産が認証不正問題により23年4月比で7割減だったためで、国内生産は前年同月比2.5倍の5万4548台と4カ月連続で前年実績を上回った。内訳は軽自動車が同2.7倍の3万8165台、登録車が同2.4倍の1万6383台だった。

 ただ、スズキと同様に中央発條の爆発事故の影響を受けており、小型SUV「ロッキー/ライズ(トヨタ)」や軽ハイトワゴン「タント」などを生産する滋賀第2工場と、小型ハイトワゴン「トール/ルーミー(トヨタ)」などを生産する京都工場で稼働停止を余儀なくされた。

 海外生産は、前年同月比2.7%増の5万2400台と4カ月ぶりにプラスへ転じた。マレーシアが同10.5%増と2カ月ぶりに増加し、4月として過去最高を更新。ただ、インドネシアが同5.1%減と伸び悩み21カ月連続のマイナスだった。

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