日立のCIセクターは事業ポートフォリオ改革に重点、産業向けHMAXで成長をけん引:製造マネジメントニュース(2/3 ページ)
日立製作所は、投資家向け説明会「Hitachi Investor Day 2025」において、コネクティブインダストリーズ(CI)セクターが2025〜2027年度の新規中期経営計画「Inspire 2027」で取り組む事業戦略について説明した。
「Integrated Industry Automation」で差別化を図る
これらの成果を得てきたCIセクターだが、Inspire 2027における「CIビジョン」として掲げるのが、日立の強みを「One Hitachi」で垂直に組み合わせて差別化を図る「Integrated Industry Automation」である。コッホ氏はこのIntegrated Industry Automationに向けた施策を3つ挙げた。
1つ目は、ハイブリッド産業などの高成長/高付加価値なミッションクリティカル市場のセグメントでの機会獲得である。ここで言うハイブリッド産業とは、組み立て製造(ディスクリート)とプロセス製造、両方の要素を持つ産業であり、バッテリーや高機能材料、バイオ医薬などが対象となる。「ディスクリート、プロセスともに資産効率の改善が求められているだけでなく、熟練労働者の減少などにより労働生産性の改善も共通の課題になっている。日立はディスクリート、プロセスの両方で有力なプロダクト、OT、ITがあり強みになっている」(コッホ氏)。
2つ目は、One Hitachiの推進とAIを活用したプロダクト×OT×ITの差別化、HMAXによるリカーリングビジネスの強化だ。例えば、ハイブリッド産業向けであれば、ディスクリートとプロセスに関わる強いプロダクト、OT、ITをOne Hitachiの下でこれまで取り組んできたTSSを進化させるとともに、AIを活用してバリューチェーンを統合して提供するのが産業分野向けHMAXとなる。
ハイブリッド産業以外でも、測長SEMや空気圧縮機など高い納入実績を有するミッションクリティカルなプロダクトをインストールベースとして、AIを活用したより高付加価値なデジタルサービスを提供することも産業分野向けHMAXになり得る。
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