国内でのシェア拡大なるか!? PTCの最新3D CAD「Creo 12」はどう進化した?:CADニュース(2/4 ページ)
PTCジャパンは、3D CADソリューションの最新版「Creo 12」に関する記者説明会を開催した。同社 社長執行役員の神谷知信氏は、大型アップデートとなったCreo 12のリリースを皮切りに、日本市場での展開をさらに強化する考えだ。
Creo 12で注目のアップデート内容は?
Creo 12の注目すべきアップデート内容は、「生産性と使いやすさ」「複合材のための設計」「電動化のための設計」「シミュレーション主導の設計」「モデルベース定義」「製造性を考慮した設計」の6項目に分類される。以下、それぞれの主なトピックを紹介する。
生産性と使いやすさ
「生産性と使いやすさ」に含まれるものは、全てのユーザーに恩恵のある基本的な領域のアップデートであり、250以上ある機能強化の多くがこれに該当する。
例えば、画面左側にあるツリー表示の改良が挙げられる。大量の情報が表示される領域において、パフォーマンス向上や情報のフィルタリング/表示方法の改善が図られた。表示系の改良に加え、ツールヒント機能も強化され、マニュアルなどを別途確認せずにCreoの画面上で操作方法や機能の使い方を把握できるようになった。
大きな改善点の一つが「フィーチャープリセット」である。これは、各コマンドに対して複数の初期設定を持てるようにする機能である。Creoには多数のコマンドがあり、それぞれに多くのオプションがあるが、従来は1種類の初期設定しか持てなかった。新機能により、例えば、穴開けコマンドに対し、よく使用する穴の種類をあらかじめ割り当てておくことができるようになった。これにより生産性が向上し、社内での設計標準の統一にも貢献する。
マルチボディ関連では、マルチボディ部品を一括でアセンブリへ変換する機能や、STEP形式のアセンブリをマルチボディとして読み込む機能が追加された。
また、板金設計においては、完全な依存ミラーへの対応により、左右対称のモデルを容易に作成できるようになった。さらに、複数の領域で構成された板金モデルを、最小限の操作でつなぎ合わせるジョイント機能が追加された。従来はオプションだった境界ボリューム関連の機能も強化され、標準機能として使用可能となった。溶接関連の機能も同様に強化されている。
ソリッドモデルだけでなく、サーフェス関連の機能も着実に改善が加えられている。
同社のPLMソリューション「Windchill」との連携においては、PLM側の材料管理機能とCreo内での材料定義が連動することで、ライフサイクルアセスメント(LCA)ツールなどと連携し、環境負荷評価が可能となった。さらに、WindchillのBOMから必要な部品を選択して新しいバリエーションを定義し、Creoを立ち上げることなく作業を進められるようになった。
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