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“現場に寄り添うロボット”で自動化推進、初開催の関西ロボデックスレポート[関西]ロボデックスレポート(3/3 ページ)

2025年5月14〜16日、インテックス大阪にて「関西Factory Innovation Week 2025」が初開催された。本稿では、同展示会の構成展の1つである「ロボデックス」に出展した企業の中から注目の製品やサービスを紹介する。

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“ちょうどいい自動化”を実現するロボット――オリエンタルモーター

 オリエンタルモーターは小型モーターの老舗メーカーとして知られ、近年では自社製の産業用ロボットも積極的に展開している。今回の展示では、既存ラインへの後付けにも対応可能なコンパクトロボット「OVRシリーズ」が紹介された。

 OVRシリーズは、垂直多関節ロボット、水平多関節ロボット、直交ロボットが用意されており、軽量かつ省スペースである点が特徴。360度全方向に動ける新モデルも登場し、軌道制限のない動きで最短距離/時間での動作を実現する。最大可搬重量は10kgで、多様な現場のニーズに対応可能だ。

 デモでは、ビジョンセンサーと連携してピンポン玉の色を識別し、不良品(橙)と良品(白)を自動で振り分ける様子も披露。複数ロボットを使い分けた工程分担も可能で、現場の自動化、効率化に大きく貢献するという。

 さらに同社は、初の「教育用卓上ロボット」も展示。学生や社会人が気軽にロボットに触れ、ソフトとハードの両面から学べる仕組みを提供することで、人材育成にも力を入れている。今後の自動化社会を支える“使える人材”の育成にも寄与する製品だ。

既存ラインへに後付け対応可能なコンパクトロボット「OVRシリーズ」
既存ラインへに後付け対応可能なコンパクトロボット「OVRシリーズ」[クリックで拡大]
教育用卓上ロボット「Motion System Master」
教育用卓上ロボット「Motion System Master」[クリックで拡大]

センサー技術で重量物を“軽々”操作――ユニパルス

 ユニパルスは、力センサーや荷重計などの計測機器を製造、販売しており、産業現場の作業負担を軽減する製品開発に取り組んでいる。長年培ってきたセンシング技術を活用し、重いものを安全かつスムーズに運ぶための電動バランサー「ムーンリフタ」を開発した。

 「ムーンリフタ」は、内蔵されたサーボモーターと力センサーにより、吊り上げる対象の重量を自動で検知。どんな重さでも同じ操作感で上げ下げができ、30kgのワークでも500g程度の力で持ち上げられるという。高精度な制御により、1mm単位の微調整が可能で、デリケートな部品にも対応できる。

 会場では、操作用ボタンを使わずにワークを上下させるデモを実施。来場者が実際に装置に触れ、その軽さと滑らかな動きに驚く様子が見られた。作業者の腰や腕への負担を軽減しつつ、安全性と作業効率を両立できる点が評価されている。

 ムーンリフタは発売から約7年で累計5000台以上を販売。自動車業界や食品業界など、幅広い分野で導入が進んでいる。ユニパルスは今後も、センサーメーカーならではの強みを生かし、現場のニーズに応える製品を展開していくという。

ムーンリフタを使用すると30kgの重量があっても、500g程度の負担に感じられる
ムーンリフタを使用すると30kgの重量があっても、500g程度の負担に感じられるという
重量が異なるものを可搬しても、人に掛かる負荷は変わらない
重量が異なるものを可搬しても、人に掛かる負荷は変わらない[クリックで拡大]

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