三菱自動車は2025年5月7日、電動車のラインアップ拡充について発表した。オーストラリアやニュージーランドで2026年後半に発売するEV(電気自動車)は鴻海精密工業(Foxconn)傘下の鴻華先進科技(Foxtron)から供給を受ける。北米では、日産自動車「リーフ」の次期モデルをベースにしたEVを2026年後半に投入する。
2025年5月7日に三菱自動車と鴻海精密工業はEV供給の覚書を締結した。三菱自動車がOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けるのは、Foxtronが開発し、裕隆汽車製造が台湾で製造するモデルだ。「EVとしての優れた走行性能やインフォテインメント機能を有し、オセアニア地域に最適であると判断した」(三菱自動車のプレスリリース)。このモデルは、2024年に発表したオーストラリアでの2030年までの商品計画に含まれている。
次期リーフをベースにしたEVのOEM供給を受けることも、2030年までの商品計画に含まれている。オーストラリアやその他市場への投入も含めて検討中だとしている。三菱自動車からは、PHEV(プラグインハイブリッド車)を日産自動車に提供する。日産自動車の2026年発売の北米向けモデルとしてPHEVをOEM供給する。
欧州ではルノーからOEM供給を受けるなど、アライアンスを活用して電動車のラインアップを強化していく。
鴻海が用意するEVとは
鴻海精密工業は2025年4月に実施したEV事業の戦略説明会において、レファレンスデザインとして用意しているEVのラインアップを紹介。その中で、クロスオーバーSUV「モデルB」が2026年に日本の自動車メーカーを通じて発売されることを明かしている。
モデルBは全長4315×全幅1885×全高1535mmで、ホイールベースが2800mmで、バッテリー容量は58kWh、走行可能距離はNEDCモードで500kmとなっている。デザインはピニンファリーナが手掛ける。レファレンスデザインをベースに、自動車メーカーごとに外観の一部などを作り変える。
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