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IHIが調達データプラットフォームを導入、見積もり業務を効率化:製造IT導入事例
A1Aの製造業向け調達データプラットフォーム「UPCYCLE」を、IHIの車両過給機SBU調達部門が導入した。導入によりコストの変動要因が可視化され、データに基づいたコスト削減や販売価格への適切な反映が可能になる。
A1Aは2025年4月8日、同社の製造業向け調達データプラットフォーム「UPCYCLE」を、IHIの車両過給機SBU調達部門が導入したと発表した。
UPCYCLEは、部品を軸に見積書や図面、メールなどの情報を集約して一元管理できる。情報はAI(人工知能)によって構造化され、見積もりや図面が見つけやすくなり、見積もり査定の精度が向上する。また、見積もりの分析や比較が容易になるため、コストダウンの可能性を見出す手掛かりが得られる。
IHIの車両過給機SBU調達部門では、自動車や産業機械向けのターボチャージャーを生産している。グローバルに事業を展開する中で、原価管理や価格の妥当性を判断する際の効率性と精度の向上が課題となっていた。特に、製品価格の整合性をタイムリーに判断するため、変化点ごとのコスト分析が必要だった。
これらの課題解決に向け、同部門ではUPCYCLEの導入を決定した。導入後は、コストの変動要因が可視化されることから、データに基づいたコスト削減や調達、販売価格への適切な反映が可能になる。
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