ピコピコたたいて相手の頭を吹っ飛ばす「ハンマーバトルゲーム」の仕組み:100円均一でモノの仕組みを考える(9)(2/3 ページ)
本連載「100円均一でモノの仕組みを考える」では、実際に100円均一ショップで販売されている商品を分解、観察して、その仕組みや構造を理解し、製品開発の過程を考察します。連載第9回のお題は、昔懐かしい2人用対戦玩具「ハンマーバトルゲーム」です。
ハンマーバトルゲームの内部の部品構成
分解してみると、内部は図3のような部品で構成されていることが分かります。外観からは見えなかった部品として、次の3点が挙げられます。
ジョイント
スプリング(大)を圧縮した状態のまま、キャラクターの頭部と胴体をつなげる(セットする)ための部品です。
リンクバー
プレイヤーによるボタンの押し込み動作を、ハンマーの振り下ろし動作に変換するための部品です。
スプリング(小)
押し込まれたボタンの位置を元に戻す役割を果たします。
以上、相手のキャラクターをハンマーでたたくというシンプルな玩具ですが、意外と多くの部品で成り立っていることが分かります。
ハンマーバトルゲームの動き
ハンマーバトルゲームの動きですが、おおまかに次の2点に集約されます。
- プレイヤーがボタンを押すと、キャラクターがハンマーを振り下ろす
- 相手のキャラクターにハンマーが当たると、キャラクターの頭部が跳ね上がる
以降、「ハンマーを振り下ろす仕組み」「キャラクターの頭部が跳ね上がる仕組み」として、詳しくそれぞれのメカニズムを解説していきます。
1.ハンマーを振り下ろす仕組み
キャラクターがハンマーを振り下ろす仕組みは、リンクバーを利用した単純な物理的動作で成り立っています。以下のようなプロセス(a〜d)で動作します(図4)。
a)ボタンが押し込まれる
プレイヤーがボタンを押し込むと、ボタンに接続されているリンクバーが下方向に押し下げられます。
b)リンクバーがハンマーを作動させる
リンクバーの動きによって、回転軸を持つハンマーが動き出します。リンクバーの押し下げ動作が“てこの原理”によってハンマーを回転させ、振り下ろす力に変換されます。
c)ハンマーが相手のキャラクターに衝撃を与える
ハンマーが一定の軌道を描いて振り下ろされ、相手のキャラクターの頭部に当たります。衝撃を受けたキャラクターの頭部がスプリング(大)の力によって跳ね上がります。
d)ボタンを離すと元に戻る
ボタンから指を離すと、ボタンの下に仕込まれているスプリング(小)の力によって、リンクバーとハンマー、ボタンが元の位置に戻ります。これにより、次の攻撃の準備が整います。
この一連の動作により、プレイヤーがボタンを押すたびにハンマーが振り下ろされ、相手のキャラクターを攻撃することができます。
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