簡易WMSにもなるモノの位置や在庫の管理サービス、OKIが月額5万円からで発売:物流のスマート化(1/2 ページ)
OKIは、屋内外問わず保管された製品や設備品などモノの位置情報をスマートフォンで簡単追跡できるロケーション・在庫管理システム「SHO-XYZ(ショザイ)」について説明した。簡易的なWMS(倉庫管理システム)としての利用が可能であるにもかかわらず、月額5万円からと安価にサービスを利用できる点が特徴となる。
OKIは2025年1月20日、東京都内で会見を開き、屋内外問わず保管された製品や設備品などモノの位置情報をスマートフォンで簡単追跡できるロケーション・在庫管理システム「SHO-XYZ(ショザイ)」について説明した。簡易的なWMS(倉庫管理システム)としての利用が可能であるにもかかわらず、月額5万円からと安価にサービスを利用できる点が特徴となる。主に、製造業の工場やWMSを導入していない小規模倉庫を中心に展開を進める。販売開始は同年3月の予定で、2028年度までの販売目標は13億円。
「SHO-XYZ」の事業展開を管轄するOKI イノベーション事業開発センター 企画室 室長の青木聡氏(左)と同センター ビジネス開発部 物流・地域DXチーム チームマネージャーの吉原和英氏(右)[クリックで拡大]
SHO-XYZは、倉庫での物品管理に用いられるパレットやコンテナなどに貼り付けられたRFタグを、RFIDリーダーと接続したスマートフォンを使って読み取ることで、屋内外にあるモノの保管位置を自動追跡することができるSaaS型のクラウドシステムである。WMSの基本機能である入出荷などの管理機能も備わっているため、2次元コードやバーコードを活用することでモノのロケーション管理から在庫管理まで行える。
外国人労働者が多く働いている工場や物流倉庫で求められる多言語対応や、現場で使われている特有の文言などへの対応も可能だ。あらかじめ言語シートを作成しておくことで、アプリ上の画面設定から簡単に言語設定を行える。利用者IDと使用言語を事前にひも付けておくなどの機能も用意している。
SHO-XYZの基本機能は、入荷作業、棚入れ/ロケーション移動、引き当て処理/ピッキング、出荷作業といったさまざまな倉庫作業で活用できる。入荷作業では、スマートフォンのカメラで商品のバーコードを読み取り、伝票番号などの関連情報をひも付けすることで入荷登録を行える。併せて、パレットやコンテナに貼り付けたRFタグと商品コードをひも付ければモノの自動追跡などが可能になる。また、商品情報にスマートフォンのカメラで撮影した荷姿の画像をひも付ければ現場の報告業務も簡略化できる。
棚入れ/ロケーション移動では、モノの保管位置の情報になるロケーション情報と商品コードのひも付けを手動で登録する手動モードに加え、RFタグを使った自動追跡も利用できる。同一商品の格納履歴を参照して前回のロケーション情報を表示したり、倉庫内の空きロケーションを表示したりなど、現場の作業効率を高める機能も用意している。
引き当て処理では、引き当て登録が入荷した日付順に在庫表示されるので先入れ先出しを簡単に実現できる。倉庫作業で最も時間がかかると言われているピッキング商品の検索では、スマートフォンによる自己位置測位ができる環境を構築していれば、対象の商品までの方向や距離感を表示してくれる。RFタグを利用している場合には、ピッキング商品に接近すると音で知らせることもできる。
出荷作業では、ピッキング商品の二重チェック機能で誤出荷を予防でき、突然の出荷キャンセルにも対応する仕組みを提供する。
また、2025年度内には、商品の移動履歴データの分析や倉庫内レイアウトの最適化提案が可能なBIツールの機能も提供したい考えだ。
なお、簡易的WMSの機能としては、入荷作業、棚入れ/ロケーション移動、引き当て処理/ピッキング、出荷作業に関わる情報の管理が基本となる。CSVデータやAPIを用いた外部システムとの連携も可能だが、一般的なWMSの機能である調達システムと連携する機能は現時点では提供していない。
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