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パナソニックグループがサステナビリティを重視する理由、250年計画のカギにCES2025 パナソニックキーノート(後編)(1/3 ページ)

パナソニック ホールディングス グループCEOの楠見雄規氏が、「CES 2025」のオープニングキーノートに登壇した。本稿では、このオープニングキーノートとパナソニックブースの展示内容を前後編に分けて紹介。後編では環境についての取り組みを紹介する。

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 パナソニック ホールディングス 代表取締役 社長執行役員 グループCEOの楠見雄規氏は2025年1月7日(現地時間)、エレクトロニクスを中心とした最先端テクノロジーの展示会である「CES 2025」(2025年1月7〜10日、米国ネバダ州ラスベガス)のオープニングキーノートに登壇し、AIを含むソフトウェアを大幅に強化する方針を示した他、脱炭素や資源循環などのサステナビリティに積極的に取り組む姿勢を示した。

 本稿では、オープニングキーノートと展示ブースの内容を基に、前編ではAI(人工知能)およびソフトウェア戦略について紹介した。後編では環境対策をテーマに同社の取り組みを紹介する。

44の工場でネットゼロ化、新たにマンチェスター市での取り組みも開始

 パナソニックグループでは「物と心が共に豊かな理想の社会」実現を使命としているが、CES2025のオープニングキーノートおよび展示は「Well into the future」をテーマとしている。創業者の松下幸之助氏が示した、物と心の豊かさの実現に向けて250年かけて目指していく「250年計画」などを考えても、将来にわたって豊かな社会を築く中で重要となるのが、脱炭素や資源循環などの環境問題についての取り組みだ。

 楠見氏は「企業として気候変動など環境についての問題にさまざまな形で対処することが重要になっている。3カ月前に孫が生まれ、子どもや孫たちなど未来の世代が健全な環境を享受できるように、できる限りのことをしたいと個人的にも強く感じている。あらゆるものを持続可能な形に変えていく必要がある」と強く訴えた。

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環境問題への対策を訴える楠見氏[クリックで拡大]

 気候変動対策という面で、製造業は製造工程で多くの温室効果ガス(GHG)を排出しており、削減に向けた取り組みが企業には求められている。パナソニックグループではより積極的に推進するため、長期環境ビジョンである「Panasonic GREEN IMPACT」を作成して推進している。

 工場のネットゼロ化も順調に進めており、既に世界の44の拠点でネットゼロ化を実現できたという。さらに、先進の技術として純水素型燃料電池と太陽電池、蓄電池を高度なエネルギーマネジメントシステムで連携制御するエネルギーソリューションである「Panasonic HX」を展開している。まずは草津工場の一部で導入をし、英国のカーディフ工場にも導入。さらに、2025年春にドイツのミュンヘンのオフィス拠点でも2025年春から電力需給運用の実証を開始する。加えて、マンチェスター市と提携し地域でのネットゼロ化に向けた実証も行うとしている。

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新たにマンチェスター市でPanasonic HXを活用した地域のネットゼロ化を推進[クリックで拡大]

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