ニュース
井関農機の水田自動抑草ロボット「アイガモロボ」が第2世代に:ロボット開発ニュース
井関農機は、NEWGREENと共同で開発した水田自動抑草ロボット「アイガモロボ2(IGAM2)」を2025年3月に発売する。水田の形状をあぜにぶつかることで学習し、網目状にくまなく航行する。
井関農機は2024年12月12日、NEWGREENと共同で開発した水田自動抑草ロボット「アイガモロボ2(IGAM2)」を発表した。有機水稲栽培で課題とされている、雑草対策に寄与する。2025年3月に発売予定で、価格は27万5000円(税込み)となる。
アイガモロボは、雑草を引き抜くのではなく、水田を濁らせて太陽光を遮断し、雑草の光合成を抑制する「抑草」の仕組みを採用している。また、土を巻き上げて柔らかい層を形成し、雑草種子を埋没させて雑草の発生を抑える。前機種の「IGAM1」を使用した研究では、除草作業の回数を58%削減できることを確認した。
IGAM2は、IGAM1の実績を踏まえたフルモデルチェンジ版となる。推進方法として採用したブラシ機構により、航行能力や地形対応力など走破性が向上した。ブラシには柔軟性と弾力を持つ素材を使用し、苗への影響を抑えつつ、耐久性を高めている。
電源を入れるだけで自動航行を開始し、事前のルート設定は不要になった。水田の形状をあぜにぶつかることで学習し、網目状にくまなく航行する。重量は約6kgで、IGAM1より64%軽量化しており、持ち運びも容易になった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スズキの新たな電動モビリティは「ロボット業界の足」を目指す
スズキは、「国際物流総合展2024」において、AGVやAMRなどさまざまなロボットの足回りに適用できる「電動モビリティベースユニット」を披露した。 - 道なき道を走るパートナー、不整地走行のエキスパート集団「CuboRex」
不整地を走行するロボティクス技術を武器に成長を続けるハードウェアスタートアップのCuboRex。同社の創業から現在に至るまでの経緯と強みの源泉について、代表の嘉数正人氏に話を聞いた。 - 無人自動運転コンバインがセンサー大盛りの理由、トラクターや田植え機と何が違う
クボタは、人が搭乗することなく自動運転でコメや麦の収穫作業が行える「世界初」(同社)の無人自動運転コンバイン「DRH1200A-A」を報道陣に公開した。 - ヤンマーの大玉トマト収穫ロボット、2段階認識と独自吸着ハンドで実用化へ
ヤンマーは、「2022国際ロボット展(iREX2022)」のNEDOブースにおいて、開発中の大玉トマト収穫ロボットの試作機を披露した。 - AIロボットでイチゴの受粉を自動化、世界中の食糧問題解決を目指すHarvestX
モノづくり施設「DMM.make AKIBA」を活用したモノづくりスタートアップの開発秘話をお送りする本連載。第7回は、開発が困難とされる果物の植物工場を、AI搭載のロボットで実現しようと取り組むHarvest Xを紹介する。同社はイチゴの栽培を研究ターゲットにする。一般的にイチゴはミツバチによって受粉するが、じつはこの受粉過程がとても悩ましい問題だった。 - AIが果実の熟度を高精度判定、農研とデンソーらが自動収穫ロボットを共同開発
農業・食品産業技術総合研究機構は2020年12月23日、立命館大学やデンソーと共同で果実収穫用ロボットのプロトタイプを開発したと発表。ロボットが圃場内を自動走行し、カメラを通じてAIが果実の熟度を自動判定する。ロボット本体のハードウェアはデンソーが、ロボットの果実認識技術などは立命館大学が開発した。