有田焼の文房具やカトラリー 器だけじゃない、文翔窯のひと味違うモノづくり:ワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(19)(2/4 ページ)
本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。第19回では佐賀県伊万里市と有田町の窯元の若手経営者や後継者などで結成したNEXTRADのメンバーで、文翔窯の代表である森田文一郎氏に話を聞きました。
「有田焼のコンセントカバー」も
ーー森田さんが2代目ということは、文翔窯はお父さんの代に始まったのでしょうか?
森田さん そうです。ひいじいちゃん(曽祖父)が起こした別の窯元から、独立した親父が立ち上げた窯が文翔窯です。
かつて親父は器制作の傍ら、コンセントカバーや文房具を有田焼で作ることに挑戦していました。だんだんと「今後はこういった変わったものを作っていった方が受け入れられやすいのではないか?」と考えるようになり、文翔窯として独立しました。親父と同じように、僕も他の人がやらないようなモノづくりをしたい、と思っていたので親父の後に続きました。
ーーそうなのですね。では、次に文翔窯のちょっと変わった有田焼について教えてください!
今回はこの3つについてお聞きしました。
(1)有田焼のコンセントカバー
(2)有田焼のボールペン
(3)有田焼のカトラリー
ーー先ほどコンセントカバーのお話があったと思いますが、森田さんのご自宅のコンセントには実際にこのカバーが付いているのですか?
森田さん 家の全部のコンセントに付いてますね。ベッドの裏に隠れているような、人目につかないようなところまで、全部。僕が3歳くらいのときにこの家が建ったのですが、その頃からずっとうちの家のコンセントにはこういう感じのプレートが付いていて当たり前という環境で育ちました。
小さい頃、友達が家に来て、有田焼のコンセントやボールペンを見て驚いていました。その様子を見て、「ああ、これは世の中の普通ではないのか」と初めて知り、驚きました(笑)。
ーーそれは驚きますね(笑)。でも、有田焼ってお客さんが来たときとか、特別な日に使われるようなイメージを持っていたので、こういった日常的に目に入るところや、触れる場所に有田焼があるというのはすごくすてきですし、うらやましいです。
森田さん 日常をちょっと特別にしてくれるものとか、部屋の雰囲気を少し変えてくれる焼きものが好きで、そういうものを作りたいと思っています。文翔窯が始まった当初の主力商品が、このコンセントカバーでした。
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