視覚でどう訴える? 製造業のマーケティングで有効なビジュアルコンテンツ活用:間違いだらけの製造業デジタルマーケティング(20)(2/5 ページ)
コロナ禍で製造業のマーケティング手法もデジタルシフトが加速した。だが、業界の事情に合わせたデジタルマーケティングを実践できている企業はそう多くない。本連載では「製造業のための正しいデジタルマーケティング知識」を伝えていく。第20回のテーマは「ビジュアルコンテンツの重要性」だ。
顧客のニーズや課題との結び付きを分かりやすく示す
技術採用の利点や応用範囲は、できるだけ網羅して発信したくなるだろう。複数の課題解決に適用できる場合はなおさらだ。しかし、情報を詰め込みすぎると顧客にとってどのように技術を活用できるかが不明確になり、逆に混乱を招く恐れがある。特に、技術的な専門知識がない顧客に対しては、情報が多すぎると要点が伝わりにくくなってしまう。
ビジュアルコンテンツを活用すれば、技術の使用方法やその具体的な利点を整理し、視覚的に分かりやすく伝えられるようになる。動画や図解によって、技術の応用範囲や使用場面を効果的に示すことができ、顧客は自分にとってどのような価値があるのかを瞬時に理解できる。また、技術の複雑さや多様性を分かりやすい形で提示すれば、多くの顧客に強い印象を与えて信頼性を高めることにもつながる。
差別化ポイントや強みを一目で伝えられる
B2B製造業では、製品の機能や性能はしばしば競合製品と似通う。そのため、スペック表や文章だけを使った訴求では、製品間の違いや優位性を顧客に明確に伝えるのが難しい場合がある。特に、数値や技術用語が並ぶスペック表は、専門知識のない顧客にとっては理解しにくく、競合製品との違いが一目で分かりづらい。
ビジュアルコンテンツを活用することで、顧客が直感的に「何が違うのか」を理解できるようになる。例えば、製品の構造を3Dモデルで視覚的に示したり、製品の動作や使用シーンを動画で説明したりすれば、文章では伝えきれない部分を補完できる。こうした視覚的な情報は、顧客にとって分かりやすく、比較の判断基準を提供するだけでなく、製品の強みやユニークなポイントを強調できる。
効果的なビジュアルコンテンツ制作のポイント
ただ単にビジュアルコンテンツを制作しても効果は薄い。効果を上げるためのポイントを解説する。
ビジュアルとテキストのバランス(図表、写真、動画の適切な組み合わせ)
ビジュアルとテキストのバランスは、効果的なコンテンツ制作において非常に重要なポイントである。特に、図表、写真、動画などのビジュアル要素を単体で使用するだけでなく、適切にテキストと組み合わせることで伝えたい情報をより分かりやすく、印象深く顧客に伝えられるようになる。
複雑な技術的内容を説明する際、図表を用いて視覚的に情報を整理する一方で、その意味や重要なポイントを短いテキストで補足すれば、顧客はスムーズに内容を理解できる。同様に、写真を使用して製品の特徴や利点を示す際にも、その背景にある情報や説明を簡潔な文章で添えることで、単なる画像以上の深い理解を促せるようになる。
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