Materialise、3Dプリント運用のカスタマイズ性の拡大に向けてソフト機能強化:3Dプリンタニュース
Materialiseは、3Dプリント運用のカスタマイズ性を拡大するソフトウェアの機能強化と、nTopやBLTとのコラボレーションについて発表した。プリント材料をカーボン削減型に切り替える取り組みも始めている。
Materialise(マテリアライズ)は2024年11月19日(現地時間)、3Dプリント運用のカスタマイズ性を拡大するソフトウェアの機能強化と、複数のコラボレーションについて発表した。
同社は、製造ワークフロー内の最適化をサポートするため、3Dプリントデータの処理や造形準備用の主力ソフトウェア「Magics」のソフトウェア開発キット(SDK)を公開した。これにより、ユーザーはPythonとC++スクリプトを使ってカスタムワークフローを作成できるようになり、製造業者は容易に3Dプリントプロセスの効率を向上できる。
このSDKは、同社の製造業務におけるデータと造形準備を最適化するためにカスタマイズしている。Pythonコードを介してアルゴリズムを共有することで、データや造形準備の自動化を支援する。
金属レーザー粉末床溶融法の準備では、サポート構造の削減や表面品質の向上、造形時間とコストの最小化などのために、パーツ方向の最適化が重要になる。同社は新機能として、金属3Dプリントのサポート材を自動生成するツール「e-Stage for Metal+」にパーツ方向比較機能を導入した。
同機能は、任意のパーツ方向を比較して、造形物の高さや最大XY断面、異なるシミュレーション結果の平均、最大偏差など、コストと品質に関連するパラメーター情報を提供する。
また、同社が2024年初頭にnTop(旧:nTopology)とパートナーシップを結んだことで、Magicsと開発者ライブラリ「nTop Core」を統合できるようになった。これにより、複雑な形状を設計して、Materialiseの「次世代Build Processor」でスライス処理できる。なお、MaterialiseとnTopが2024年6月に開始した早期アクセスプログラムには、航空宇宙や自動車業界などから10社が参加している。
Materialiseは現在、Additive Industries、Renishaw、Stratasysなど複数の主要な3DプリンタOEM企業に、この統合機能を提供している。
さらにMaterialiseとnTopは、新しい次世代Build Processorの全てに、nTopのimplicit modeling(インプリシットモデリング)カーネルを標準装備するオプションを提供する方針だ。造形準備や製造において時間がかかるデータ変換をしなくても、直接Magicsに複雑な形状を転送できる。
MaterialiseはCO2排出量削減のため、2024年初めにマルチジェットフュージョン(MJF)用の材料をカーボン削減型PA12に切り替えた。2025年初めには選択的レーザー焼結法(SLS)のPA12も同様に切り替える予定だ。
さらに同社は、積層造形技術に関する世界最大級の展示会「Formnext」において、Xi'an Bright Laser Technologies(以下、BLT)と長期契約を締結した。Materialiseのソフトウェアが、BLTの金属3Dプリントシステムと統合されることに加え、新しい3Dプリント技術の共同研究や業界特化型ソリューションの開発、航空宇宙、自動車設計分野などでのアディティブマニュファクチャリングを推進していく。
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