3Mが山形事業所がキッチンスポンジと内外装用装飾フィルムの製造工程を披露:メイドインジャパンの現場力(2/3 ページ)
スリーエム ジャパンは、同社の製造/研究開発拠点であるスリーエム ジャパン プロダクツの山形事業所(山形県東根市)で製品説明会および工場見学会を開催した。
環境にやさしい内外装用装飾フィルム
製品説明会でスリーエム ジャパンとスリーエム ジャパン プロダクツは、内外装用装飾フィルム「ダイノックフィルム」とキッチンスポンジ製品について紹介した。ダイノックフィルムは、エンボス/印刷フィルム層(塩化ビニール系樹脂)、簡易施工タイプ粘着剤、エア抜き溝から成る厚さ2mmフィルムで、耐久性/施工性に優れ、壁面仕上げ材として利用されている。
スリーエム ジャパン プロダクツの印刷やエンボス、表面コーティングの技術により、同フィルムは、リアルな木の質感を実現したり、織物やシルクなどの自然な風合いを再現したり、メタルやカーボンなどのテクスチャーを表現したりさまざまなデザインによる製品シリーズをラインアップしている。
同社 コマーシャルブランディング&トランスポーテーション技術部 スペシャリストの小野雄也氏は、「ダイノックフィルムは、フィルム施工のため養生期間が必要なく、既存の構造物を生かしてデザイン変更が行える。耐久性や耐水性、耐汚染性にも優れるためメンテナンスしやすく、擦り傷にも強い。さまざまな下地に使え、3次元曲面に貼り付けられる」と利点を語る。
2024年にはダイノックフィルムで141種の新デザインを追加。製品説明会ではその中から、注目のシリーズとして14種のデザインから成る「Oxidized Metal」シリーズと7種のデザインで構成される「Eco Series RC」シリーズを紹介した。
Oxidized Metalシリーズは、抑揚のあるテクスチャーと、グロスやマットを掛け合わせた複雑な印刷手法、輝度感があるメタリックフィルムを組み合わせている。これにより、触った時の汚れやメンテナンスの問題から、室内での使用が難しかった錆や酸化金属の表現を実現している。
Eco Series RCシリーズは、環境にやさしいダイノックフィルムで、マットコーティング層、透明フィルム層、着色フィルム層、粘着剤、剥離紙から成る。透明フィルム層にはPETボトル由来のリサイクルPET樹脂を80%使用し、着色フィルム層にはホタテ貝殻由来のバイオベース材料を約20%活用。剥離紙には古紙パルプ配合率約40%の再生紙を利用し、植物由来のバイオベース材料を約10%含むインクで印刷している。
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