日立の業績見通し上方修正はGEMセクターがけん引、日立エナジーも積極投資へ:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
日立製作所が2024年度第2四半期の連結業績を説明。事業の中核とする3セクターの売上高と利益指標であるAdjusted EBITAが第1四半期から継続して伸びるなど好調で、2024年度の通期見通しも上方修正した。好調なGEMセクターの中核を成す日立エナジー 新CEOのアンドレアス・シーレンベック氏も会見に登壇し積極投資を明言した。
日立製作所(以下、日立)は2024年10月30日、オンラインで会見を開き、2024年度(2025年3月期)第2四半期(7〜9月期)の連結業績を説明した。事業の中核とする3セクター(DSS:デジタルシステム&サービス、GEM:グリーンエナジー&モビリティ、CI:コネクティブインダストリーズ)の売上高と利益指標であるAdjusted EBITAが第1四半期から継続して伸びるなど好調で、2024年度の通期見通しも上方修正した。
3セクターの2024年度第2四半期業績は、売上高が前年同期比11%増の2兆3345億円、Adjusted EBITAが同23%増の2493億円、Adjusted EBITA率も同1.0ポイント増の10.7%となるなど好調だった。国内ITのDX(デジタルトランスフォーメーション)/モダナイゼーションの追い風を受けたDSSセクター、送電網設備などの更新需要や再生可能エネルギー、データセンター関連ソリューションが好調なGEMセクターがけん引した。当期利益については、2023年度に発生した為替差益の影響もあり同1.9%減の1417億円にとどまった。
足元の好調さを受け3セクターの2024年度通期業績見通しも、2024年4月の期初の発表から上方修正した。売上高が前回予想比1500億円増の9兆1500億円、Adjusted EBITAが同195億円増の1兆500億円で、Adjusted EBITA率は11.5%で据え置きとなる。2022〜2024年度の中期経営計画「2024中期経営計画(2024中計)」で重視するコアFCF(コアフローキャッシュフロー)は、設備投資増加などの影響で期初予想通り前年度比で914億円減少し4800億円となるものの「2024中計の目標である3年累計で1兆2000億円を3000億円上回る1兆5000億円に向けて順調に進捗している」(日立 執行役専務 CFOの加藤知巳氏)という。
日立の成長を担うデジタルソリューション群であるLumada事業も好調に推移している。2024年度の通期見通しは、売上高が前回予想比1000億円増の2兆7500円となった。この伸びの要因になったのはGEMセクターで、日立エナジーによるGlobalLogicや日立デジタルサービスと連携した設備資産の統合管理などのデジタル事業や、鉄道システム事業が開発したNVIDIAのAI技術を搭載したデジタルアセットマネジメントサービス「HMAX」などが貢献している。
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