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相鉄バスの新型自動運転バスに見る可能性、レベル4技術は鉄道に応用できるのか自動運転技術(2/4 ページ)

2019年から自動運転バスの実用化に取り組んできた相鉄バスだが、2024年に入ってから新たなスタートを切った。新型自動運転バスの実証実験の内容について紹介するとともに、これらの技術を鉄道に応用する可能性を検討してみたい。

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自動運転バスはいったん白紙に

 2021年に入ると、3月下旬から4月上旬までの9日間に左近山第1−左近山第5間で試験走行を実施。往復2.7kmを時速25kmで走行した。引き続き遠隔監視/操作システムによる自動運転で、保安者を務める運転士が運転席に着座した状態で行われた。

 そして、同年9月20日(月曜日・敬老の日)〜24日(金曜日)の5日間、二俣川駅南口−左近山第5間(往復約9km、1日3往復)で、公道での自動運転バスによる実証実験が実施されることになった。レベル2の自動運転区間、運転士による手動運転区間に分け、運賃も収受する。

 当初は9月17日(金曜日)にプレス試乗会(報道公開)が実施される予定だったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大による緊急事態宣言再延長の影響で、実証実験ともども延期に。試験走行は同日のみ実施された。

 その後、より安全性を高めるため、新たな機能の追加、修正などのシステム改修を行う。しかし、乗客に安全/安心に乗車してもらうに当たって、十分な時間をかけて事前検証すべきと判断したため、2022年3月31日(木曜日)に中止が発表された。

 さらに相鉄バスは群馬大学、日本モビリティとの共同研究契約の満了に伴い、自動運転バスの実現に向けて、新たな方向性を探ることになった(注:読者に誤解のないよう補足すると、群馬大学、日本モビリティとは、現在も協議ができる環境を有している)。

2024年3月から大幅に刷新

 そして2年後の2024年3月26日(火曜日)、相鉄バスは先進モビリティ、東海理化、横浜市経済局との連名で、小型バスを用いた自動運転の実証実験を発表した。

先進モビリティ所有車の自動運転バスの設備
先進モビリティ所有車の自動運転バスの設備[クリックで拡大] 出所:相鉄ビジネスサービス

 横浜市経済局の産業振興支援の一環と位置付け、車両は先進モビリティが所有する日野自動車の小型車「ポンチョ」に変更した。大型車はバス専用道(バス専用レーン)の整備などに課題があったためだ。小型車の場合、自動運転との親和性が高く、小回りが利くという観点から変更に踏み切った。

 なお、相鉄バスが所有する大型車による実証実験の再開については、現時点未定だという。

 自動運転バスの運転制御をより高度化させるため、UWB(Ultra-Wide Band:超広帯域)無線を搭載し、有効性を確認。遠隔監視システムは東海理化が用意した。

 この実証実験は同年3月29日(金曜日)、4月1〜5日(月〜金曜日)によこはま動物園正門−よこはま動物園北門(客扱いなし)−よこはま動物園正門間(約2km)の循環運転として実施された。

 その後、総務省の2023年度補正予算「地域デジタル基盤活用推進事業(自動運転レベル4検証タイプ)」に採択され、NTTコミュニケーションズを代表機関に、相鉄バス、先進モビリティ、東海理化、スタンレー電気、パナソニック コネクト、ドコモ・テクノロジ、NTTテクノクロス、NTTデータ経営研究所が集い、さらに進化した自動運転バスの実証実験が行われることになった。

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