物流拠点をドローン産業育成の場に、三井不動産らが板橋ドローンフィールドを開設:ドローン(1/2 ページ)
三井不動産と日鉄興和不動産は、街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」の竣工式を行った。大規模物流施設である一方で、東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」を開設していることが特徴だ。
三井不動産と日鉄興和不動産は2024年10月2日、街づくり型物流施設「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」の竣工式を行ったと発表した。大規模物流施設である一方で、東京都初の物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」を開設していることが特徴だ。
物流機能だけでなく、防災機能やや地域交流の場としての役割
MFLP・LOGIFRONT東京板橋は、都心にアクセスしやすい東京都23区内の希少な工業専用地域に位置し、敷地面積は約9万1000m2、延床面積は約25万m2以上、ワンフロア約3万6000m2、地上6階建ての都内最大規模の物流施設だ。三井不動産では、この施設を街づくり型物流施設のフラグシップ物件として位置付けており、板橋区と共に街づくりについての協議を重ね、水害に弱い周辺地域の防災拠点としての役割や、被害時の災害物資の保管、配送拠点としての役割を担うとともに、地域交流の場としての役割を担っている。
日鉄興和不動産 執行役員 企業不動産開発本部 副本部長の加藤由純氏は「1935年から日本製鉄の製鉄所として操業してきた土地を2021年に日鉄興和不動産が取得し、三井不動産と共同で開発してきた。『災害に強い安心/安全なまちの実現』『地域にひらかれ人々が豊かに暮らせる憩いの場の整備』『新たな産業機能の更新』という3つに取り組んできたのが特徴だ」と述べている。
新産業創出に向けドローンの実証の場にも
この「新たな産業機能の更新」という取り組みの1つとして、新たに敷地内に物流施設併設型ドローン実証実験の場「板橋ドローンフィールド」を開設した。ドローンの実証を進めるために、東京大学 土屋研究室や、先端科学技術センター 特任講師の江崎貴裕氏と協力を進める他、ドローンビジネスを展開するブルーイノベーションが入居し、研究開発を推進する。
三井不動産 執行役員 ロジスティクス本部長の篠塚寛之氏は「板橋ドローンフィールドでは、実験研究、人材育成、コラボ―レーションという3つの機能を提供する。ドローンについては都心近くで実験の場が少ない課題があった。それを解決する」と語っている。具体的には、経済産業省の中小企業イノベーション創出推進事業に採択されている長距離/長時間、自動運航に対応する構成のドローンポートの開発や、GPSに依存しないドローン位置特定技術の開発、高層マンションなどにおけるドローンの垂直配送の実証などに取り組む。
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