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「設備頼りのビジネス」から転換を! 固定資産のデータ分析で見えることイチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(12)(3/5 ページ)

勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!

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部門別の固定資産

次に部門別の固定資産についても見てみましょう。


図7:主要国の家計における1人あたり固定資産推移
図7:主要国の家計における1人あたり固定資産推移[クリックして拡大] 出所:OECDのデータより筆者作成
図8:主要国の非金融法人企業における1人あたり固定資産推移
図8:主要国の非金融法人企業における1人あたり固定資産推移[クリックして拡大] 出所:OECDのデータより筆者作成
図9:主要国の一般政府における1人あたり固定資産推移
図9:主要国の一般政府における1人あたり固定資産推移[クリックして拡大] 出所:OECDのデータより筆者作成

家計と企業/政府で全く傾向が異なりますね! 家計の固定資産はほぼ住宅ですが、最近では非常に低い水準です。


はい、これは家計の総固定資本形成が低い水準だったことと符合しますね。一方で、企業と政府の固定資産は非常に高い水準が続いたことになります。


停滞はしているものの、日本だけ飛びぬけた状態が長く続いていますね。最近になって米国が追い付いてきたようです。


そうですね。企業は米国の他にもドイツ、韓国と同程度となっています。企業の固定資産は製造業とも関連が深いので、やはりドイツ、韓国の水準が高いですね。


一方、政府は日本と米国だけ飛び抜けたままです。日本は公共事業が多すぎるとマスコミでよく言われていますが、このグラフを見ると確かにそうかもしれないと思いますね。


少し誤解があるかもしれませんね。もう一度、第7回の総固定資本形成についてよく見てください。実は、政府の総固定資本形成は一時期極めて高い水準に達しましたが、最近では主要国で中程度です。


なるほど。政府の固定資産は道路や橋梁など、価値が減耗しにくいモノばかりですから、投資が減っても価値としては蓄積しやすいということですね。


その通りです。一方、企業は総固定資本形成が高い水準が続いていて、その蓄積である固定資産も非常に多い状態です。


総固定資本形成の回で、企業が投資を増やさなくなったことを確認しましたが、そもそもの水準がかなり多く、高止まりしている状況ということですね。


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