日本の固定資産への投資額はどう推移した? 国際比較で確かめる:イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(7)(1/4 ページ)
勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!
小川さん:学生時代アメフトで鍛えた、体育会系機械エンジニア&金属加工職人。経済統計に興味があり、趣味で統計データを共有する情報発信を続けている。ラーメン好き(現役時代よりも体重が増えていることは家族に内緒)。
経済構造に詳しい古川さん: 元エリート銀行マンで、現在は起業しスタートアップの事業支援など、製造業を中心としたエコシステムの構築を進めている。大学の非常勤講師や、地域経済活性化のための委員なども務める。実は照れ屋。
(※)編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係ありません。
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「総固定資本形成」の推移を見てみよう
古川さん、前回は投資と資金調達について解説していただきましたね。
そうですね。貯蓄を元手にして投資を行った結果、資金が余ればその分貯蓄超過となります。逆に資金が足りなければ、投資超過の分だけ資金調達をしていることになります。
この投資というのは、総固定資本形成と呼ばれるものですね。
はい。住宅や工場、機械・設備などの固定資産への支出を総固定資本形成と呼びます。今回は、その内訳や水準について具体的な統計データを見ていきましょう。
総固定資本形成の部門別推移を表したグラフが図1です。
やはり企業による投資が最も多いということですね。でも、1990年からはアップダウンしながら80兆円前後で横ばいが続いています。2010年頃から増加傾向に転じているようです。
はい。一方で、対家計民間非営利団体を含む家計と公的企業を含む政府は1990年代後半をピークにいったん大きく減少し、横ばい傾向が続いています。
家計はそのまま横ばいが続いていますが、政府(公的)は2010年頃から緩やかに増加しているように見えます。
はい。2010年頃から増加傾向に転じているのは、国内総生産や雇用者報酬など、今まで見てきたデータとも共通するところですね。
続いて、住宅や機械・設備などの形態別でも見てみましょうか。
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