ハードウェアロジック搭載の車載CXPIレスポンダー用インタフェースIC:組み込み開発ニュース
東芝デバイス&ストレージは、CXPI準拠の車載CXPIレスポンダー用インタフェースIC「TB9033FTG」のサンプル提供を開始した。ハードウェアロジックで送受信とGPIOを制御するため、ソフトウェア開発が不要になる。
東芝デバイス&ストレージは2024年9月3日、車載通信プロトコル規格CXPI準拠の車載CXPIレスポンダー用インタフェースIC「TB9033FTG」のサンプル提供を開始した。量産開始は2025年12月を予定している。
同製品は、搭載するハードウェアロジックでCXPIプロトコルによる送受信とGPIOを制御する。そのためソフトウェアの開発が不要となり、開発期間を短縮できる。GPIOは16端子あり、6端子はA-Dコンバーター入力、4端子はPWM出力に切り替え可能だ。
入力機能として、スリープモード時の入力監視、入力時のチャタリングフィルター設定、最大4×4のスイッチマトリックス設定のほか、A-Dコンバーターの移動平均サンプリング機能を備える。出力機能には、出力のON/OFF制御、通信が途絶した際の出力制御、PWM周波数設定がある。
異常検出機能では、過熱、過電圧、低電圧が異常になる手前の状態を検出し、コマンダーノードに自動で送信する。
動作温度範囲は、車載向けの−40〜+125℃に拡大した。今後、車載電子部品認定規格「AEC-Q100」に適合予定だ。車載通信を多重化できるため、ボディー系アプリケーションのワイヤハーネスを削減でき、車載システムの軽量化にも寄与する。
また、同社が開発中の車載CXPI通信ドライバーレシーバーIC「TB9032FNG」は、外部端子でコマンダーノードとレスポンダーノードの用途に切り替え可能だ。
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