“開製”連携で柔軟で効率的な製造を、パナソニックのコールドチェーン事業:メイドインジャパンの現場力(1/2 ページ)
パナソニック コールドチェーンソリューションズ社は、コールドチェーン市場拡大に合わせて開発した新たなスーパーショーケースの出荷式を開催するとともに、コールドチェーン事業の戦略について説明した。また、主力となる大泉拠点の工場での生産効率化への取り組みを紹介した。
国内の冷凍冷蔵食品の市場は拡大を続けており、今後さらに成長すると見られている。こうした低温食品の流通を支えているのが、低温を維持したまま輸送や保管を実現するコールドチェーンだ。また、主力となる大泉拠点の工場での生産効率化への取り組みを紹介した。
パナソニック コールドチェーンソリューションズ社は2024年7月18日、コールドチェーン市場拡大に合わせて開発した新たなスーパーショーケースの出荷式を開催するとともに、コールドチェーン事業の戦略について説明した。
60年以上の歴史があるパナソニックのコールドチェーン事業
パナソニックグループでは、1960年にアイスクリームストッカーを開発してコールドチェーン事業を開始。その後、米国ウェーバーショーケース&フィクスチャーと大型ショーケースの技術提携を行い、1964年にエアカーテン方式スーパーショーケースを発売している。現在は冷凍/冷蔵ショーケース、冷凍機、プレハブ/物流機器、厨房機器、加熱機器、飲料ディスペンサーなど多種多様な機器群を展開している。
パナソニックのコールドチェーン製品の強みが、ショーケースと冷凍機、これらを制御する店舗コントローラーを組み合わせて提供している点だ。パナソニック コールドチェーンソリューションズ社 副社長で、コールドチェーン事業部 事業部長の土屋康之氏は「ショーケースと冷凍機、コントローラーの3つそろえて提供していることで、最適な設定や調整を総合的に提案できる。これは国内企業では唯一だ。エネルギー効率よく最適な温度に保って運転を行える」と強みについて述べる。
9年ぶりに主力のスーパーショーケースをモデルチェンジ
パナソニックのコールドチェーン事業は、2023年度で3960億円の売り上げ規模だが、海外売り上げが75%を占め、25%が国内での売り上げとなる。国内売り上げの約半分がショーケースによるものとなるが、このショーケースの内、スーパー向けショーケースで9年ぶりのモデルチェンジを行い、2024年7月18日に出荷式を行った。
新たに出荷したスーパーショーケース「REシリーズ」は、デザイン性、省エネ性、容量、冷凍性能などを強化した点が特徴だ。突起のないフラットなデザインでメンテナンス性を高めた他、エアーカーテンの効率性向上や調光制御などにより約15%の省エネ性能向上を図った。また、庫内容量を9%拡大したほか、冷凍能力も20%以上改善している。
さらに、ラインアップに、業界で初めて真空断熱ガラス(VIG)を加えた。これはパナソニックグループ内に蓄積されていたプラズマテレビの技術を応用したもので、ベアガラスの間に真空層を作ることで、ガラス面からの冷熱が逃げることを防ぎ、33%の省エネ性を実現できるとしている。土屋氏は「開製販が1拠点で全て集まって連携を取ってモノづくりを行える点もパナソニックの強みだ。新製品も顧客の要望に応えながら、製品として仕上げた」と語っている。
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