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「KINTOはSDV時代のトライアル」、アップグレードの利用拡大へモビリティサービス(1/2 ページ)

トヨタグループのKINTOは、ハードウェアとソフトウェアのアップデートに対応したサブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」の利用者拡大に力を入れる。

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 トヨタグループのKINTOは、ハードウェアとソフトウェアのアップデートに対応したサブスクリプションサービス「KINTO Unlimited」の利用者拡大に力を入れる。同サービスの対象となる「Uグレード」は「プリウス」から設定が始まり、「ヤリス」「ヤリスクロス」にも用意されている。

 2024年8月30日にUグレードの新規契約者向けキャンペーンを発表した。同年9月1日〜11月30日にUグレードのプリウス/ヤリス/ヤリスクロスを申し込み、同年12月31日までに契約が完了したユーザーを対象に、ハードウェアのアップグレード費用を最大8万円サポートする。

 Uグレードの狙いの1つは、アップデートし続けてもらうことで最終的な下取り価格を上昇させ、新車時の月額利用料を引き下げることだ。また、SDV(ソフトウェアデファインドビークル)の時代に向けた準備を進めることも目指す。

 KINTO 代表取締役社長の小寺信也氏は「Uグレードは、SDV時代のトライアルの部分もある。Uグレードで作っていくサービスが、トヨタ車やレクサス車に全面展開されていく将来像を描いている。SDVを提供する準備ができていないと、クルマが進化しているのに販売がついていけなかったり、ユーザーに価値を提供できなかったりする懸念がある。Uグレードの活動はもう少し加速させたい」とコメントしている。


Uグレードのトップバッターとなったプリウス[クリックで拡大] 出所:KINTO

プリウスUグレードの月額利用料[クリックで拡大] 出所:KINTO

KINTOの現状

 KINTOが提供するサブスクリプションサービスの申込件数は、2024年7月末までに累計12.5万件に達した。利用者のうち、40%以上が20〜30代だという。

 「若いユーザーや、中古車に乗っていたユーザーに合ったサービスだと考えている。クルマを通じて一生のお付き合いを……とこれまでの販売では考えてきたが、転勤で数年だけクルマが必要になったり、クルマを将来にわたって維持し続けることに不安があったり、さまざまなニーズがあることが分かってきた。クルマを入手する1つの手段として、ユーザーにも販売店にも受け入れられている」(小寺氏)

 Uグレードは2023年1月発売のプリウスで設定がスタート。プリウスのUグレードは、KINTOで取り扱う全車種のうち20%を占めるなど人気だとしている。2024年1月には、Uグレードの対象車種にヤリスやヤリスクロスも加わった。Uグレードはアップグレードを前提に装備が絞られているが、契約時にオプションを1つも付けないユーザーが全体の3割で、オプションパッケージのうち一番多く装備が含まれるパッケージを選ぶユーザーは4割に上るという。

 Uグレード向けには専用のスマートフォンアプリも開発した。アップグレードの注文やコネクテッド機能がアプリ内で利用できる。

 ハードウェアのアップグレードの土台になっているのが、一般販売の既販車向けにアップグレードを提供する「KINTO FACTORY」だ。現在90種類のアイテムを提供している。東京、名古屋、大阪、福岡での地域限定のサービスだが、月によっては100台を超える受注があるという。

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