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複合材3Dプリンタを活用した新しい設計のアイデア複合材料と3Dプリンタのこれまでとこれから(4)(2/3 ページ)

東京工業大学 教授/Todo Meta Composites 代表社員の轟章氏が、複合材料と複合材料に対応する3Dプリンタの動向について解説する本連載。今回は、複合材3Dプリンタを活用した新しい設計のアイデアに関する初級の内容について解説します。

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スナップインファスナーを取り付ける方法

 図3が表面の凹凸です。後から分離を防ぐスナップインファスナーを取り付けるために四角い穴が初めから空いています。このデータで3Dプリントします。この平板は連続繊維で強化している他、Markforgedのスライスソフトにより四角い穴を連続繊維が自動的に避けて配置されます。つまり、連続繊維を切断することなく成形可能です。

図3 スナップイン継手の表面
図3 スナップイン継手の表面[クリックで拡大]

 この凹凸の位置が逆になるようにもう1つの平板を作成し、凹凸をかみ合わせます。これを図4に示します。緑とピンクの平板が別々に印刷したものです。

図4 2枚の凹凸平板のかみ合わせ
図4 2枚の凹凸平板のかみ合わせ[クリックで拡大]

 かみ合わせた状態で、4カ所の穴にH型のスナップロックピンを差し込みます。スナップロックピンは小さい部品ですので、連続繊維は入れられず、短炭素繊維ナイロン複合材の「Onyx」で作られています。これを図5に示します。

図5 スナップロックピンによる固定
図5 スナップロックピンによる固定[クリックで拡大]

 図5ではピンは簡単に変形してしまいまい、H型の足部分が閉じるように変形してしまうと抜けてしまいます。これを防止するために、H型の隙間部分に変形留め具としてキャップをかぶせます。これを図6に示します。

図6 キャップによる保護
図6 キャップによる保護[クリックで拡大]

 ここまで終了した状態が図2の写真です。なお、図2では分かりやすいようにわずかに凹凸を故意にずらしています。

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