山善が協働ロボットテストラボを従来比3倍に拡充移転、受注数40%増を目指す:協働ロボット(2/3 ページ)
山善のトータル・ファクトリー・ソリューション支社は新たに開設した協働ロボットのテスト施設「協働ロボットテストラボ」を報道陣に公開した。
実際のワークで実機テスト、2025年3月期は前期比40%増の受注目標
既に2021年には、同社の本社ビルにショールームとしての位置付けの展示施設を開設し、2022年には大阪本社第2ビルに移転してテストラボとして稼働させている。今回、JRの新大阪駅から徒歩圏内の好アクセスの立地に移転し、従来の面積の3.5倍となる308.65m2に拡充した。
「前年度の下期(2023年10月〜2024年3月)で47社が来社した。そのうち40社は他府県から来られた。今期(2024年4月〜2025年3月)、われわれは数量ベースで協働ロボットの受注台数を40%増を目指している。そのため、協働ロボットラボへ100社のユーザーの来社を目指している」(植島氏)
協働ロボットテストラボはワークテストルームが1部屋、トレーニングルームが2部屋、コミュニティースペースで構成されている。「2社同時に来ていただいても、別室でそれぞれトレーニングを受けていただり、トレーニングとワークテストを別室でできるようになった」(植島氏)。
ワークテストルームにはTechman Robot(テックマンロボット)の可搬重量12kgの協働ロボット「TM12S」が置かれ、ユーザーのワークを使って実際の動作速度や可搬重量などを実機でテストできる。
MarkforgedとBambu Labの3Dプリンタを設置しており、対象ワークに合わせたロボットハンドの爪や補助器具を試作し、現場の作業に近い状態でテストが可能だ。複数台のカメラを設置しており、ユーザーは遠隔でもテストの様子を見ることができる。アドバンテックのAI(人工知能)サーバも置き、テックマンロボット内蔵の2Dカメラの画像を活用した、オンプレミスでのAIの推論とトレーニングが可能だ。
トレーニングルームでは、購入したユーザーを対象に、7kg可搬の協働ロボット「TM7S」、同6kg可搬の「TM5-700」を用いてテックマンロボット導入時のトレーニングを実施する。また、産業用ロボット、協働ロボットを生産現場などに導入する際に受講が義務付けられている産業用ロボット安全特別教育も行う。
コミュニティースペースでは、テックマンロボットのTM7Sの他、ファナックの10kg可搬の協働ロボット「CRX-10iA」、ABBの協働ロボット「GoFa」、双腕型協働ロボット「YuMi」が常設され、操作体験などが可能となっている。また、技術サポート部のスタッフ11人が常駐するオフィスを併設しており、素早いサポート体制を敷いている。
「自動化、省人化に向けた課題解決のワンストップソリューションを提供したい。自動化に必要な要件定義を行い、そこに必要な技術を開発もしくは製造する、トータルソリューションを目材している。さまざまなステークホルダーに来ていただき、ロボットに関するコミュニケーションを図る、情報のハブとなっていく。東京にも協働ロボットテストラボを開設したい」(植島氏)
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