プラスチックフィルムシート市場の環境対応状況やリサイクル動向を調査:製造マネジメントニュース
富士キメラ総研は、プラスチックフィルムシート市場の環境対応状況に関する調査結果を発表した。環境対応素材の採用動向やリサイクル動向について、数量ベースの市場規模で分析している。
富士キメラ総研は2024年8月5日、プラスチックフィルムシート市場の環境対応状況に関する調査結果を発表した。環境対応素材の採用動向やリサイクル動向について、数量ベースの市場規模で分析している。
調査結果によると、2023年の国内における環境対応フィルムシートの販売量は、汎用PSP容器で1040億円となった。原料にバイオ由来樹脂、MR(マテリアルリサイクル)由来樹脂、CR(ケミカルリサイクル)由来樹脂を用いた環境対応フィルムシートのうち、環境対応型製品の構成比が高いのは、A-PETおよびO-PETシート、PP系シート、PE系フィルムだ。
2023年の国内におけるA-PETおよびO-PETシート販売量の54%を環境対応型製品が占め、販売量は20万9000t(トン)。主にPETボトル由来の再生ペレットを使用しており、バイオ由来樹脂も用いられている。PP系シート、PE系フィルムも環境対応型が10%を超えるが、ほかの品目ではコストや技術的な問題から、10%未満にとどまっている。
カットロスの調査では、自社内での活用を再利用と定義し、リサイクル用途での他社への販売や固形燃料としての利用、焼却などの処分は排出として調べた。2023年の汎用樹脂の再利用量は18万5820t、排出量は2万5241t。一般的にフィルムは生産量の5〜10%、シートは10〜20%のカットロスが発生する。
汎用樹脂、エンプラともにカットロスの再利用が進んでおり、汎用樹脂ではPP系やPS系で、エンプラではA-PETおよびO-PETシートや包装用、工業用のPETフィルムでほぼ全量を再利用している。排出に関しては、汎用樹脂では70%以上をリサイクルしているが、特性の低下が懸念されるエンプラなどは廃棄が多い現状だ。
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