Sigfoxを引き継いだUnaBizにKDDIとKCCSが出資、目標は世界累計1億台接続:製造業IoT(1/2 ページ)
LPWAネットワークのSigfoxを展開するUnaBizは、KDDI、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の協力により、プレシリーズCラウンドとして合計2500万米ドル(約37億円)の出資を受ける契約の締結を完了した。
LPWA(低消費電力広域)ネットワークのSigfoxを展開するUnaBizは2024年8月8日、KDDI、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)の協力により、プレシリーズCラウンドとして合計2500万米ドル(約37億円)の出資を受ける契約の締結を完了したと発表した。今回の出資を基に、UnaBizが「0G技術」と呼ぶSigfoxについて、防犯、サプライチェーンと物流、ガスや水道など公共インフラ設備の3分野に向けての技術開発を加速させる考えだ。【訂正あり】
【訂正】当初「KDDI、KCCSとの間で、プレシリーズCラウンドとして合計2500万米ドル(約37億円)の出資を受ける契約を締結した」としていましたが、KDDIとKCCSの出資はプレシリーズCラウンドの全額ではなく一部でした。これに合わせてタイトルと本文を修正しました。
Sigfoxは、フランス企業のSigfoxが展開してきた無線局免許が不要なアンライセンスバンドを用いるLPWAネットワーク技術である。年間の通信費用が100円単位と安価であるとともに、電池交換なしで数年間継続して運用できる低消費電力を特徴としている。企業としてのSigfoxは経営難のため破綻したが、その事業を2022年4月に引き継いだのがシンガポールを拠点にSigfoxのネットワークパートナーを務めてきたUnaBizである。
同社 CEO兼共同創設者のヘンリ・ボン(Henri Bong)氏は「当社が買収する前の段階でグローバルの接続デバイス数は900万台だったが、この2年間で1.5倍の1350万台まで拡大しており、世界最大のアンライセンスバンドのLPWAネットワークである。AI(人工知能)技術の急速な進化で良質なIoT(モノのインターネット)データが不足しているといわれているが、低コストかつ低消費電力のSigfoxを使えば効率良く手に入れることができる」と語る。
今回の2500万米ドルの出資は「KDDI Open Innovation Fund 3号」とKCCSの協力によるものだ。UnaBizは2018年のシリーズAラウンド、2021年のシリーズBラウンドでKDDI Open Innovation Fund 3号を通してKDDIから資金を調達しており、特にKDDI傘下のソラコムと協業することで日本国内におけるSigfoxの採用拡大で連携してきた。また、KCCSは2017年2月から日本国内における独占的なネットワークパートナーとしてSigfoxの普及を進めており、SigfoxのライセンサーであるUnaBizとの連携は不可欠だ。
ボン氏は「日本企業に育てられてきたSigfoxの成長を目指すUnaBizは日本のメンタリティにあふれた企業だ。KDDIやKCCSだけでなくさまざまなユーザーがSigfoxを評価して利用している。今後注力する3分野も日本企業による成功事例が大きく影響している」と説明する。
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