廃盤部品や少量部品に対応するデジタル製造プラットフォーム:メカ設計ニュース
3D Printing Corporationは、廃盤部品の再生産や小ロットの生産に対応するデジタル製造プラットフォーム「TAIGA」をリリースした。生産に加え、開発情報の管理業務も効率化できるため、コスト削減に寄与する。
3D Printing Corporationは2024年7月23日、廃盤部品の再生産や小ロットの生産に対応するデジタル製造プラットフォーム「TAIGA」をリリースした。
TAIGAは、供給元を失った部品や少量生産部品など、より専門的なオンデマンド部品を開発、生産できるプラットフォームだ。経験豊かなエンジニアや技術者、射出成形、板金、3Dプリンティングなどに関する知識を学習したAI(人工知能)を活用し、顧客のニーズに応じた最適な設計と製造プランを提案する。
部品の再生産や小ロット生産に加え、開発と生産に関する情報管理業務も効率化するため、コスト削減に寄与する。現在、防衛や重工業などの分野から、供給元が存在しない20種以上の部品の復元依頼を受けている。少量生産については、プロペラやインペラの製造など30件以上を受注している。
また、TAIGAは多様な機能を備えている。プロジェクトに関わるメンバー全員が参加できるチャット機能、ユーザー側の該当部門と製造を担当するサプライヤーに必要な全ての情報を1つに集約したレポート機能、開発した3Dデータを保存しておけば、いつでもワンクリックで再購入できるデジタルライブラリーなどの機能を搭載する。
なお、今回リリースした機能は初期段階のものであり、同社は数年以内に、TAIGAをログインするだけでオンラインショッピングのように入手困難な部品や廃盤部品を入手できるようなプラットフォームにしていく。
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