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「できること」起点のモノづくりは通用しない 靴メーカーが失敗から得た教訓新製品開発に挑むモノづくり企業たち(5)(2/3 ページ)

本連載では応援購入サービス(購入型クラウドファンディングサービス)「Makuake」で注目を集めるプロジェクトを取り上げて、新製品の企画から開発、販売に必要なエッセンスをお伝えする。第5回はインターナショナルシューズのレザースニーカー「brightway」を取り上げる。

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「10年後も愛せる1足」目指しソール交換サービスも提供

――brightwayの特徴について教えてください。

上田氏 brightwayは「10年後も愛せる1足を」をコンセプトにしたユニセックスなスニーカーブランドで、3つの大きな特徴があります。1つはシンプルでミニマルなデザインであること。通常はブランドロゴなどが入っているのが一般的ですが、それが外からは一切見えないデザインとなっています。

ロゴなどを排したbrightwayの外観
ロゴなどを排したbrightwayの外観[クリックして拡大] 出所:インターナショナルシューズ

 2つ目はアフターメンテナンスが充実しているところです。スニーカーブランドとしては珍しくソール交換もできますし、靴ひもや中敷の別売りもしています。パーツを交換することによって、本体がきれいであればずっと長く使える作りにしています。これは日本で一貫製造をしている当社ならではの強みです。

履き口周りの
brightwayのソール部分。交換にも対応する[クリックして拡大] 出所:インターナショナルシューズ

 3つ目が、可能な限り国産素材を使って、大阪の地場でハンドメイドで作っています。私たちはこれを「OSAKA MADE」と呼んでいますが、日本の革靴産業を自分たちの次の世代に残していきたいという思いがあります。

――これまで培ってきた技術力が、brightwayにどう生かされているのでしょうか。

上田氏 フォルムに関して言えば、履き口にスポンジを入れず、縫い目がない仕立てにすることで、非常に繊細できれいな仕上がりになっています。これは高級なハイヒールパンプスの横のラインに用いられる技術です。履いた時に足首周りがすっきりきゃしゃに見えること、履いた際にくるぶしに当たっても痛くないのがメリットです。

履き口の拡大写真
履き口の拡大写真[クリックして拡大] 出所:インターナショナルシューズ

 また、婦人用パンプスに使用する細い針でステッチをかけることで、見た目の繊細さを実現しています。踵の芯材も、婦人用パンプスに用いられる革の芯材「レザーカウンター」を入れることで、履いていくほどに足になじみ、靴ずれを起きにくくする工夫をしています。ぱっと見てデザインに特徴がある製品ではないのですが、見えないところにさまざまな家業の歴史が搭載されています。

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