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MECHATROLINK協会が2024年度総会開催、機能安全の取り組みも強化FAニュース

MECHATROLINK協会は2024年度の総会を開き、活動方針や機能安全への取り組みなどを紹介した。

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 MECHATROLINK協会は2024年6月7日、東京都内で2024年度の総会を開き、2023年度の活動報告や2024年度の活動報告などを行った。


安川電機の上山氏

 冒頭にあいさつに立ったMECHATROLINK協会 幹事長で安川電機 モーションコントロール事業部長の上山顕治氏は「世界的な経済変動、特に最近のインフレ圧力や地政学的リスクの高まり、サプライチェーンの混乱など、われわれを取り巻く環境はますます複雑化している。DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進やサステナビリティの追求を継続して行い、複雑化する状況に柔軟に対応し、革新を続けることで持続的な成長を目指している」と語った。

 同社では2024年に入り、マシンコントローラー「MPX1000シリーズ」、I/O製品「SLIO I/Oシリーズ」を投入し、MECHATROLINK-4対応の製品を拡充している。上山氏は「普及推進においてはメンバーの協力が必要であり、開発環境の整備を引き続き進めていく」とした。


MECHATROLINK協会の下畑氏

 MECHATROLINK協会 事務局代表の下畑宏伸氏は今後の活動方針を説明した。まず2023年度は、“MECHATROLINK-4のグローバルでの積極的なPR活動の実施”を基本方針として、中国や台湾、東南アジアでの展示会へ積極的に出展し、PR活動を行ったことを紹介。また、2024年3月末時点で協会加盟社は3654社に、MECHATROLINK通信ASICの累計出荷数は1374万ノード、対応製品は595となったことを説明した。

 そして、2024年度も”MECHATROLINK-4のグローバルでの積極的なPR活動の実施”を基本方針として、国内外でMECHATROLINK-4やΣ-LINK IIの普及、拡大を図ると表明した。

 その上で下畑氏は「メンバーのMECHATROLINK-4対応製品の開発に向けて必要なツールはそろってきており、MECHATROLINKでは初めてのソフトウェアプロトコルスタックとしてRTX版を既にリリースしているが、今後も拡充していきたい」と話した。

 安川電機 技術開発本部 コントローラ開発部 機能安全開発課の前原伸一氏はMECHATROLINKの機能安全への取り組みについて発表した。前原氏は、近年一層重視されている安全機能の開発やエンジニアの育成、スキルの向上などを目的として、同社では機能安全開発課を2024年度に新設して体制の強化を図っていることを紹介。さらに、安全データを送受信するための安全通信プロトコルである「MECHATROLINK-Safety」の概要や特徴、認証取得に向けたステップなどを解説した。

 その他、アナザーウェア IoT事業部 事業部長の山浦輝和氏と同社 IoT事業部 セールスエンジニアの大塚雄太氏は基調講演「製造DXに必要なSMKL指向とOPC UA」で、製造現場の見える化レベルを16個のマスで評価するSMKLの活用方法や、日産自動車におけるOPC UAの導入事例を紹介した。

アナザーウェアの山浦氏(左)と大塚氏(右)

関西学院大学の玉田氏

 関西学院大学 イノベーション・システム研究センター センター長の玉田俊平太氏は特別講演「破壊的新規事業の起こし方」において、歴史上の大企業が競争に負けた事例の共通項を解き明かし、革新的な技術を使った新規参入企業による破壊的イノベーションに後れを取る“イノベーションのジレンマ”について説明した。また、新規事業を考える際には、従来の大企業に有利なのは持続的イノベーションではなく、大企業が自ら道を譲るような破壊的イノベーションの形に持ち込むべきとし、破壊的イノベーションを起こす方法についても解説した。


大勢の来場者が総会に参加

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