インテルの新たなフラグシップ「Lunar Lake」、次世代AI PCに向け大胆な設計変更:組み込み開発ニュース(1/3 ページ)
インテルは、2024年第3四半期の市場投入が予定されているクライアント向けプロセッサの新製品「Lunar Lake」(開発コード名)の技術詳細について説明した。
インテルは2024年6月26日、東京都内で会見を開き、同年第3四半期(7〜9月)の市場投入が予定されているクライアント向けプロセッサの新製品「Lunar Lake」(開発コード名)の技術詳細について説明した。
マイクロソフトが提唱するAI(人工知能)アクセラレーション機能を搭載するPC「Copilot+ PC」への対応に向けて、AI処理性能を高めたプロセッサ製品の市場投入が加速しているが、インテルにとってLunar LakeはCopilot+ PC対応の本命となるフラグシップ製品である。現在ノートPCなどで展開されている「Core Ultra」(開発コード名:Meteor Lake)と比べて、さまざまな性能の向上や機能の追加だけでなく、大胆な設計変更も行っている。インテル 技術本部 部長の安生健一朗氏は「Lunar LakeはMeteor Lake後継ではなくフラグシップとして開発した。次世代のAI PCに搭載すべく、最大120TOPSのAI処理性能を実現している」と語る。
DRAMのパッケージ内への搭載で消費電力と基板面積を大幅に削減
Meteor Lakeの後継ではないというLunar Lakeだが、これまでインテルのプロセッサ製品では基本的に外付けとしてきたDRAMについて、プロセッサのパッケージ内に搭載する「メモリー・オンパッケージ」の採用という大規模な設計変更が行われた。LPDDR5xをサポートし、16ビット幅×4チャンネル、最大8.5GT/sの帯域幅を実現している。
メモリー・オンパッケージの採用によって、外付けDRAMと比べてメモリインタフェースの消費電力を最大40%、マザーボードのプリント基板面積を最大2500mm2削減できるという。
メインのプロセッサ部のダイについては、Meteor Lakeと同様に3次元パッケージング技術の「Foveros」を採用しておち、コンピューティングタイルとプラットフォームコントロールタイル、コンピューティングタイルの横幅に対して少し短いプラットフォームコントロールタイルの空きスペースを埋めるフィラータイルを接続している。また、プロセッサ部を囲むように補強部材であるスティフナーがコの字型に配置されている。
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