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新車生産は3カ月ぶり増加も明暗分かれる、認証不正や品質問題が背景自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

乗用車メーカー8社の2024年4月の世界生産台数は、8社合計が3カ月ぶりに増加したが、各社で明暗が分かれた格好だ。国内生産では、能登半島地震による部品供給の影響に加えて、ダイハツ工業の認証不正、トヨタ自動車の品質問題、SUBARUの工場事故などが減産要因となった。

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ダイハツ工業

 グループ傘下のダイハツも、認証不正の影響が続いている。国内生産は、2023年12月末の全工場稼働停止から段階的に生産再開を進めているが、4月も前年同月比69.0%減の2万1317台と大幅減。前年割れは7カ月連続となった。

 とはいえ、稼働再開の動きは月を追うごとに進んでいる。滋賀工場では2024年4月10日から国内の主力モデルである軽自動車「タント」とOEM(相手先ブランドによる生産)車のスバル「シフォン」を再開。「トール」とOEM車のトヨタ「ルーミー」、スバル「ジャスティ」も、4月19日から生産を再開した。軽自動車「タフト」と「コペン」についても、5月6日にタフト、5月7日にコペンを生産再開。国内全ての工場で稼働を再開した。さらに27日には「ムーヴキャンバス」も生産を再開。2023年5月に側面衝突試験の認証手続きで不正が発覚して以降、生産を停止していた「ロッキー」およびOEM(相手先ブランドによる生産)車のトヨタ「ライズ」のハイブリッド車(HV)も7月17日以降に生産を再開すると発表した。これにより国内で生産するモデル全てが再開されることになる。

 海外生産は、前年同月比12.8%増の5万1036台と、6カ月ぶりに前年実績を上回った。インドネシアは同5.2%減と伸び悩んだものの、マレーシアが好調だった。それでも国内生産の落ち込みが大きく、4月のグローバル生産は、同36.5%減の7万2353台と8カ月連続で減少した。

ホンダ

 ホンダの4月のグローバル生産台数は、前年同月比15.7%増の31万6679台と3カ月ぶりにプラスとなった。伸び率も8社の世界生産で最も高かった。このうち国内生産は、同24.8%増の5万7196台と3カ月ぶりに前年実績を上回った。8社で最も高い伸び率を示した。国内販売では、最量販車種の「N-BOX」が5月の車名別販売ランキングでスズキ「スペーシア」に小差で抜かれ、2023年7月以来の2位となった。ただ、半導体の供給改善効果で納期の短縮が進んでいる「ヴェゼル」(同83.9%増)や「ステップワゴン」(同179.7%増)、「ZR-V」(同103.3%増)が大幅に増加。さらにインドで生産して輸入する新型SUV「WR-V」の純増もあった。

 海外生産も好調で、前年同月比13.8%増の25万9483台と3カ月ぶりに増加した。堅調な需要の北米は半導体の供給改善の効果が続いており、同14.4%増と16カ月連続のプラス。中国も同10.1%増と3カ月ぶりのプラス。その結果、アジアトータルでも同13.1%増と3カ月ぶりに増加した。

 また、トヨタ同様にホンダも2024年6月3日、型式指定申請の手続きで不正行為があったと発表した。ただし、過去に販売した車両で現行モデルは含まれておらず、稼働停止など生産活動には直接的な影響は出ていない。

スズキ

 スズキも好調が続いている。4月のグローバル生産は、前年同月比15.4%増の27万4141台と4カ月連続で増加し、ホンダに次ぐ3位につけた。好調の要因は世界生産の6割を占めるインドが同16.9%増と4カ月連続で増加したこと。インドは4月の生産台数として過去最高を更新した。一方、パキスタンなどインド以外の海外生産は低迷が続いており、同6.7%減と14カ月連続で減少した。それでも海外生産合計は同14.2%増の18万7473台と4カ月連続のプラスとなった。

 インドでの好調が目立つスズキだが、アジア地域では苦戦を強いられている国も少なくない。2024年6月7日にはタイでの四輪車生産から撤退することを発表した。タイ国内での販売減少に加えて、バーツ高により輸出の採算性が悪化したことが理由で、ラヨーン県にある生産拠点を2025年末までに閉鎖する。タイでは現在「スイフト」や「シアズ」「セレリオ」を生産しているが、今後は日本やインド、パキスタンなどの生産車を輸入して販売する。

 国内生産も好調で、前年同月比18.3%増の8万6668台と3カ月連続の増加。半導体不足の改善が進んだ影響が表れた。2024年5月の国内販売では、2023年11月にフルモデルチェンジした最量販車種の「スペーシア」がN-BOXを小差で押さえて首位となった他、同じく12月に新型を投入した「スイフト」や、主力モデルの「ハスラー」「ワゴンR」などが軒並み好調に推移している。輸出も同44.3%増と2カ月ぶりのプラスだった。

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