ワンジェイテクトの技術基盤で次の道を開く、次期中計では選択と集中も辞さず:製造マネジメントニュース(1/2 ページ)
ジェイテクトの代表取締役社長 CEOに就任した近藤禎人氏が合同取材に応じた。
ジェイテクトは2024年6月26日、同社本社(愛知県刈谷市)およびオンラインで、同月25日に就任した代表取締役社長 CEOの近藤禎人氏の合同取材を実施した。
トヨタ自動車では生産技術を長く担当、ジェイテクトにもゆかり
近藤氏は1988年にトヨタ自動車に入社後、生産技術に長く携わり、ユニット生産技術部 領域長、パワートレインカンパニー 統括、モノづくり開発センター センター長などを経て2024年1月にジェイテクトの顧問に就任。同年6月25日に開催された定時株主総会および取締役会の決議により正式に代表取締役社長 CEOに選任された。
近藤氏は「トヨタ自動車ではほぼ一貫して生産技術畑におり、さまざまな経験をさせていただいた。デフ(ディファレンシャルギア)の生産技術から始まり、北米ではオートマチックトランスミッションの生産準備にも携わった。電動化が進むと、ハイブリッド車(HV)のトランスアクスル、パワーコントロールユニット(PCU)、電池など時代に合わせてさまざまな生産技術の立ち上げを担当してきた」と振り返る。
そういったトヨタ自動車での35年間のキャリアの中でも、ジェイテクトとは常に一緒に仕事をしてきたという。
「豊精密工業(現ジェイテクトギヤシステム)とは歯切り盤などを開発した。クラウンコンフォートというタクシーの設計を担当していた時は光洋精工(現ジェイテクト)と一緒に軸受を開発した。それぞれの年代ごとに、工作機械や生産準備の支援などでずっとお世話になってきた、ゆかりの深いジェイテクトの社長を拝命したことは本当にうれしい限りだ」(近藤氏、以下コメントは同氏)
各事業のコンピテンシーをプラットフォームで1つに
ジェイテクトでは、各事業のコアコンピテンシーを融合させるテクノロジープラットフォームの構築を目指す。2006年に光洋精工と豊田工機が合併して誕生したジェイテクトの事業はステアリング、軸受、工作機械などで構成されている。
「それぞれが強い要素技術、ノウハウ、技能を持っており、祖業を強くしてきた。ただ、それが事業の壁を越えてシナジーを出す状態になかなかなっていない。祖業を軸に要素技術が成り立っていて、ある種1on1の形でぶら下がっているのが特徴でもあり今の課題だ。それを、それぞれのコンピテンシーを1個のテクノロジープラットフォームに入れ、その中でいろいろな技術を使って既存事業の強化や新規事業の創出を行う形にする。技術を中心にいろんなソリューションを、オンリーワンのソリューションを生み出す会社にしたい」
ソリューション企業への変革を図ることで付加価値の高い製品を生み出し、収益力を高めて“余力”を生み出すとともに、トヨタ自動車が目指すモビリティ社会の在り方を示す「トヨタモビリティコンセプト」に沿って、Mobility 1.0(クルマの価値の拡張)からMobility 2.0(モビリティの拡張)、Mobility 3.0(社会システム化)へとスコープの拡大を目指す。「シナジーを最大化して付加価値の高い製品を作り、われわれの価値を高めると同時に、生み出した余力を使ってMobility 2.0、Mobility 3.0へとチャレンジしていく」。
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