2024年の国内産業用3Dプリンタ出荷台数のうち1割以上が金属3Dプリンタに:3Dプリンタニュース
矢野経済研究所は、産業用3Dプリンタ世界市場の需要分野別の動向、参入企業動向、将来展望を発表した。2023年の産業用3Dプリンタの世界出荷台数は、前年比113.2%の3万台となった。
矢野経済研究所は2024年5月28日、産業用3Dプリンタ世界市場の需要分野別の動向、参入企業動向、将来展望を発表した。2019〜2025年の年平均成長率は8.9%で推移し、2024年の世界出荷台数は3万3000台、2025年には3万5000台になると予想する。
調査期間は2023年12月〜2024年4月で、3Dプリンタメーカー、販売代理店、関連サービス提供事業者などを対象とした。
産業用3Dプリンタ市場は、2019年に世界出荷台数が2万1000台だったが、新型コロナウイルス感染症流行の影響を受け、導入検討中の案件停止など停滞感があった。しかし、2021年以降は順調に成長し、2023年に産業用3Dプリンタの世界出荷台数は、前年比113.2%の3万台となった。地域別に見ると、欧米、特に欧州市場が活発になっており、インドや韓国などの市場も成長している。
サプライチェーンの分断や医療物資の不足などで、産業用3Dプリンタによる物資の製造や加工が注目されたことなどから、市場の回復が早まった。今後、金属を材料とする産業用3Dプリンタが市場をけん引すると予想し、樹脂を材料とする産業用3Dプリンタよりも成長率が大きくなると予測。2024年には国内の産業用3Dプリンタ出荷台数のうち、1割以上が金属3Dプリンタになると見込んでいる。
国内の金属3Dプリンタ市場成長の一因には、日本で購入できる海外メーカーの金属3Dプリンタが近年増えていることが考えられる。また、金属3Dプリンタの出荷台数増加の理由として、最終製品の造形に対する需要拡大が挙げられる他、材料交換が容易になったことも考えられる。
産業用3Dプリンタ市場は、引き続き成長することが予測される。これは、周辺サービスの充実、材料の種類の増加、ソフトウェア機能の拡充などで、最終製品の造形、量産をするユーザーが拡大することがその理由として考えられる。
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