パナソニック コネクトが進める事業の選択と集中 ブルーヨンダーは変革準備整う:製造マネジメントニュース(3/4 ページ)
パナソニックグループは事業戦略説明会を開催した。ここではパナソニック コネクトの説明パートを抜粋して紹介する。
Blue Yonderの3つの戦略軸
Blue Yonder事業については、業績の現状や今後の追加投資戦略について個別の説明を行った。現在パナソニック コネクトは、同事業については短期の収益性よりも中長期的な成長を目指しており、当初計画から2億ドル追加した投資を実行している。
追加投資は「スケーラブルなSaaSプラットフォーム構築」「AI(人工知能)の高度化」「End to End(E2E)の相互運用性」という3つの戦略軸に沿って実行している。
1つ目のスケーラブルなSaaSプラットフォーム構築は、Blue Yonderが展開するソリューションの中でも、レガシーなソフトウェアやビジネスモデル、仕組みをモダンなプラットフォームに切り替えることを目的としたものだ。ソリューションのマイクロサービス化や、クラウド環境のマルチテナント化、データクラウドの統合、ユーザー体験(UX)の簡素化、セキュアな拡張性の実現などを進める。
2つ目のAIの高度化では、Blue Yonderが提供する計画系と実行系のソリューションそれぞれに高度化したAIを組み込むことで、高速かつ高品質な意思決定の実現を支援することを目指す。特に期待するのが予測機能の精度向上だ。現時点でBlue Yonderを通じてユーザーが生成する需要などの予測件数は1日約100億件に上る。AIによって、これらの予測精度をさらに高められると見込む。
3つ目のE2Eの相互運用性は、システム間やワークフロー間に加えて、計画系と実行系のソリューション間、複数企業間までを見据えた相互運用性の実現を目指す。
これらの領域への投資を、2023年度から2025年度にかけて段階的に行っていく。2023年度はクラウド環境の整備やマイクロサービス化、AI関連の製品アップデート、Snowflakeによるデータ統合化を実行してきた。AI関連のアップデートは、Blue Yonderとして過去最大となる44商材に対して行った。
最終的な目標に対する現時点での進捗度は「全体の30%」(パナソニック コネクトより)だという。2024年度と2025年度はOne Networkのネットワークへの連携を目指したインテグレーション開発を中心に、さらに取り組みを進めるとしている。
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