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自工会が適正取引に向けた自主行動計画を改訂、日産も調査結果を発表製造マネジメントニュース(1/2 ページ)

日本自動車工業会は適正取引推進の方針に基づく「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」とその実効性を高める「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」を改訂した。

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 日本自動車工業会(自工会)は2024年5月31日、適正取引推進の方針に基づく「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」とその実効性を高める「徹底プラン」を改訂したと発表した。

 法令順守を大前提とした適正取引を推進し、日本のモノづくりの競争力確保と健全な取引環境の構築の実現に向け、日本自動車部品工業会とともに自動車産業のサプライチェーン全体で取り組むとしている。緊急点検による調査も継続中だ。

 自工会は、原材料費やエネルギー品上昇分について、適切なコスト増加分の全額転嫁を目指している。労務費については「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」に従い、仕入先と十分に協議した上で適正に価格転嫁するとしている。

 改訂では、下請振興基準「取引対価の協議および原価低減要請に関する望ましくない事例」を記載した。また、中小企業庁と公正取引委員会が通達した「手形等のサイトの短縮への対応について(2024年4月30日発表)」に沿って、代金の支払をできる限り現金化し、手形や電子記録債権、ファクタリングなどの一括決済方式のサイトは60日以内とする旨を記載した。さらに、下請法の親事業者の義務と禁止行為を記載している。

自主行動計画の重点課題に対する取り組み

 自主行動計画では、自動車産業が今後も持続的な成長を続けるには、電動化や低炭素化などを推進しながら競争力強化を図り、自動車メーカーと取引先が一体となった相互理解と信頼構築を基盤に生産性や付加価値を高めてサプライチェーン全体で継続的かつ計画的な改善活動に取り組むことが不可欠だとしている。

 競争力強化の活動は、グローバルでの競争が激化する中でも生産量を確保していく上では不断の取り組みが欠かせない。その中で自動車メーカーの取引先も競争力を高め、仕事量を確保し、見通しが安定するなど長期的な利益につながるという。共存共栄の精神で課題や困りごとを互いに共有し、協議を重ねることで、投資や事業の継続、雇用、賃上げ促進に取り組むことが重要だとしている。

 これらの取り組みは自動車メーカーと取引先が法令などの順守を大前提として適正取引を強力に推進し、サプライチェーン全体で健全な取引環境を構築することが土台になると自主行動計画では位置付けている。

 重点課題に対する取り組みとしては、競争力の維持と強化に向けた合理的な価格決定、アフターマーケット向けの補給部品も含めた型取引の適正化などが挙げられている。下請代金支払の適正化に関しては、サプライチェーン全体に浸透させるため、下請法対象外の取引についても支払い手段の改善に努めるよう記載した。この他にも、知的財産やノウハウの保護、働き方改革に伴うしわ寄せ防止についても重点課題の取り組みとして言及されている。

 自主行動計画は、生産性向上や品質の改善に努める取引先の事業活動を自動車メーカーは積極的にサポートするよう求めている。ティア2以降のサプライヤーからサポート要請があった場合は取引先と協力して支援する他、現場改善や人材育成の課題解決への協力、取引先の事業承継の支援、BCP(事業継続計画)の策定、デジタル化の支援や協力などの活動も行う。

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