IoTシステムにおける国際標準レベルのセキュリティ検査と認定制度を推進:IoTセキュリティ
セキュアIoTプラットフォーム協議会は、組込みシステム技術協会と連携して「セキュアIoTプログラム」を推進する。国際標準に基づくセキュリティ検査と認定制度による、IoTシステムの安全性向上を目的とする。
セキュアIoTプラットフォーム協議会は2024年5月22日、組込みシステム技術協会と連携して「セキュアIoTプログラム」を推進すると発表した。
セキュアIoTプログラムは、国際標準に基づいた「IoTセキュリティ検査」と「セキュアIoT認定」を組み合わせたものだ。設計製造の段階からシステムや機器の脆弱性を排除して安全性を確保する、セキュリティバイデザインの考え方を基本とし、IoT(モノのインターネット)システムの安全性を高めることを目的としている。
IoTセキュリティ検査では、「真正性の担保(鍵管理、Root of Trust)」「認証と識別(設計や製造、利用、廃棄、リサイクル)」「セキュアアップデート(Over The Air)」の3つのポイントに焦点を当て、IEC62443-4やETSI EN 303 645などの国際標準との適合性を確認する。また、ソースコードやファームウェアの解析、既知脆弱性診断などの脆弱性検査も実施する。
セキュアIoT認定では、産業用および業務システム、コンシューマー機器におけるIoT機器に加え、構成部品やソフトウェア、システムも認定対象とする。認定要件への適合性によって「Gold(95%以上)」「Silver(90%以上)」「Bronze(80%以上)」の3段階で認定し、Goldは利用目的などに応じて認定機関が決定する「Class」のIoTセキュリティ検査要件も満たす必要がある。
費用はIoTセキュリティおよび脆弱性の検査費、認定費を含めて400万円からとなっている(税別)。認定の有効期間は5年間で、ISO/IEC 27001などの認証取得企業や経済産業省「情報セキュリティサービス基準適合サービスリスト」登録企業などが検査を担当する。
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