連載
有限要素法入門 〜要素剛性マトリクスの導出〜:CAEを正しく使い疲労強度計算と有機的につなげる(4)(6/7 ページ)
金属疲労を起こした際にかかる対策コストは膨大なものになる。連載「CAEを正しく使い疲労強度計算と有機的につなげる」では、CAEを正しく使いこなし、その解析結果から疲労破壊の有無を予測するアプローチを解説する。連載第4回は、前回に引き続き「有限要素法」について解説する。
ガウスの数値積分公式
式39の積分はガウスの数値積分公式(参考文献[3])を使って近似計算します。ここでは次式の関数を積分するとしましょう。
この積分の近似値は、図8で示した点の関数値を使って次式で求めることができます。
試しに、f(ξ,η)がξ、ηの2次式の場合を計算しましょう。式44の積分値は次式となります。
では、式46に適当な数値を代入します。係数は表1とします。
式46に数値を代入すると、積分値は16となりました。では、ガウスの数値積分公式で計算しましょう。表2に示すように積分値も16となりました。この近似積分計算は厳密値を出しました。
ガウスの数値積分公式の一般形は次式です。
計算点の位置は下図となります。前述した例では、関数がξ、ηの2次式でした。この場合は計算点数が2×2以上で計算値は積分の厳密値となります。関数がξ、ηの1次式だと計算点数は1×1で厳密解となり、関数がξ、ηの3次式だと計算点数は3×3で厳密解となります。計算点の位置を「積分点」といいます。
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