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ソルダーレジストの技術開発を加速する研究拠点を埼玉県嵐山町で開設研究開発の最前線(1/3 ページ)

太陽ホールディングスは、埼玉県嵐山町の嵐山事業所内でソルダーレジストの開発を加速する技術開発センター「InnoValley(イノヴァリー)」を開設した。

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 太陽ホールディングスは2024年4月24日、埼玉県嵐山町の嵐山事業所で記者会見を開き、同事業所内に新たに開設した技術開発センター「InnoValley(イノヴァリー)」について説明した。

太陽ホールディングスの概要とInnoValleyの概要

 1953年9月29日創業の太陽ホールディングスは、エレクトロニクス事業、医療・医薬品事業、ICT&S事業を展開している。エレクトロニクス事業で中核となるのは、ソルダーレジストの開発、国内製造、販売を担う子会社の太陽インキ製造だ。医療・医薬品事業では医療用医薬品の製造販売/製造受託や新規モダリティー(再生医療/遺伝子治療)の研究/開発を太陽ファルマと太陽ファルマテックが担当している。ICT&S事業では、食料、ケミカル、ICTを太陽ファインケミカルが、エネルギーを太陽グリーンエナジーなどが担っている。

太陽ホールディングスの事業イメージ
太陽ホールディングスの事業イメージ[クリックで拡大] 出所:太陽ホールディングス
太陽ホールディングス 代表取締役社長の佐藤英志氏
太陽ホールディングス 代表取締役社長の佐藤英志氏

 InnoValleyは、エレクトロニクス事業における太陽インキ製造の技術開発の強化を目的に開設された施設だ。地上6階建てで延べ床面積は1万400m2、敷地面積は1万6323m2。所在地は、嵐山事業所と同じく埼玉県嵐山町大字大蔵388番地となる。建築計画は大成建設が担当し、内装設計は、1〜3階および更衣室を大成建設が、4〜6階をDRAFTが担っている。

 太陽ホールディングス 代表取締役社長の佐藤英志氏は「当社のエレクトロニクス事業の2023年3月期売上高は2013年3月期と比べて2倍になった。2023年における太陽インキ製造の従業員数も2013年と比べて2倍となっている。つまり、エレクトロニクス事業の需要が高まるとともに社員も増えてきている状況だ。回復しつつある半導体市場に合わせて、エレクトロニクス事業をさらなる成長軌道に乗せるとともに、人的資本経営を実現するためにInnoValleyを開設した」と話す。

太陽インキ製造におけるInnoValleyの位置付け

 太陽インキ製造ではInnoValleyを活用して「ソルダーレジストの顧客基盤強化」「用途展開の進出」「新規事業開発の創出」「継続的な新製品上市の迅速化」を加速する。

 ソルダーレジストの顧客基盤強化では、既存市場でのソルダーレジストの認知拡大とシェアの維持、フレキシブル基板用ソルダーレジストの拡販、ドライフィルム型ソルダーレジストによる差別化を行う。

 用途展開の進出では既存技術の電子部品での用途展開やソルダーレジスト技術の半導体プロセス用途での展開を実施する。

 新規事業開発の創出ではディスプレイ事業の立ち上げを行う。継続的な新製品上市の迅速化では、ソルダーレジストの製造で培った技術やノウハウを生かして、感光性カバートレイや半導体向け厚膜封止材、導電性/磁性材料、新シードフィルムの開発を行う。

太陽ホールディングスの事業イメージ
太陽ホールディングスの事業イメージ[クリックで拡大] 出所:太陽ホールディングス

InnoValleyの特徴

 InnoValleyは低層(1〜3階)がラボエリアで高層(4〜6階)がオフィスエリアとなっている。ラボエリアでは、明るさや温度、湿度などを完全にコントロールすることで外部環境の影響を受けない室内環境とし、実験効率の向上と集中力のアップを実現している。InnoValleyの外観に関して、低層は周囲の森に調和するアースカラーのルーバーで覆われており、高層はダイナミックに跳ね出し空に向かって伸びる庇(ひさし)を備えている。低層と高層のデザインの違いにより太陽インキ製造のスピードとコミュニケーションを表現している。

「InnoValley」の外観
「InnoValley」の外観[クリックで拡大]
InnoValleyの施設内構造
InnoValleyの施設内構造[クリックで拡大] 出所:太陽ホールディングス
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