検索
連載

倉庫を圧迫する大量の越前漆器 出会いつなぐマーケット開催で表舞台にワクワクを原動力に! ものづくりなヒト探訪記(14)(4/5 ページ)

本連載では、新しい領域にチャレンジする中小製造業の“いま”を紹介していきます。今回はモノづくり産地の越前鯖江エリアで、漆器業界の抱える課題解決に挑戦する、越前漆器販売店「漆器久太郎」の曽明富代さんと曽明晴奈さんを取材しました。

Share
Tweet
LINE
Hatena

日本酒用の漆器で和紅茶を飲んでもいい


漆器の使い方を提案する展示スペース。ひな祭りをイメージしたそうです 出所:ものづくり新聞

展示スペースには熱心に漆器を見る人の姿も 出所:ものづくり新聞

――漆器プロフィールとうるしピクトのほかに工夫されたことはありますか?

晴奈さん 展示場所のコーディネートが得意なメンバーがいたため、今回のマーケットでは、試飲や試食ができるブースを用意しました。その結果、和紅茶を漆器の杯(さかずき)で飲んでもらうなど、常識にとらわれない新しい漆器の使い方を提案できました。また、季節に合わせて、2月にはバレンタイン、3月にはひな祭りをイメージした展示としました。

――漆器とレースの組み合わせが斬新でかわいいですね。展示/販売場所では、杯で和紅茶もごちそうになりました。普段はあまり漆器の杯を使わないのですが、漆器特有の薄さや滑らかさから、いつもよりおいしく感じました。こういった用途で、漆器を日常的に使うのもすてきですね。マーケットは全部で2回開催された(取材時)とのことでしたが、それぞれどういった結果だったのでしょうか?

富代さん 1回目の開催と倉庫の準備が同時並行で進んでいたため、残念ながら1回目は倉庫での開催はかないませんでした。別の場所でプレオープンした一期一会マーケットでは、来場者19人、売り上げ13万2000円という結果でした。杯を使ってお茶を試飲した方が「私もこう使いたい」とセットで購入されたことなどから、来場者あたりの購入額が大きくなりました。

 倉庫で開催した2回目のマーケットは、地元の新聞社に取り上げられ、そこから大手ネットニュースへも掲載されたことで、260人が来場しました。売り上げは28万6000円で、単価が高い商品が多く売れた1回目と比べ、来場者あたりの売り上げ単価は下回る結果となりましたが、より多くの方に一期一会マーケットを知ってもらえるきっかけになりました。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る