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ごみに混ざったリチウムイオン電池を検知回収せよ、NEDOがシステム開発コンテスト材料技術(1/2 ページ)

新エネルギー・産業技術総合開発機構と三菱総合研究所は、廃棄するリチウムイオン蓄電池(LiB)の検知/回収システムに関する研究開発に対して、懸賞金を提供するコンテスト「NEDO Challenge」を実施すると発表した。

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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と三菱総合研究所は2024年4月10日、廃棄するリチウムイオン蓄電池(LiB)の検知/回収システムに関する研究開発に対して、懸賞金を提供するコンテスト「NEDO Challenge」を実施すると発表した。

 NEDOは、「NEDO懸賞金活用型プログラム」の一環でNEDO Challengeを実施しており、今回第2弾となる「NEDO Challenge,Li-ion Battery 2025 発火を防ぎ、都市鉱山を目指せ!」の公募を開始する。今回の公募の企画運営を委託されたのが三菱総合研究所だ。

 応募資格は法人、個人、グループを問わない。ただし、日本の法人格を有する企業、大学、公的研究機関などに限定している。

 公募テーマは「LiB検出装置(ポータブル型・設置型)の開発」と「LiBの発火危険性の回避・無効化装置の開発」の2つだ。

 公募期間は2024年4月10日〜6月10日で、1次審査を同年6月に行う。同審査を通過した参加者には研究開発期間として同年7〜12月にわたる6カ月間を与え、その期間に開発した製品を2次審査で評価。その評価を基に最終選考会を行い、2025年1月下旬に受賞者を発表し、同年3月に懸賞金を交付する。懸賞金はテーマごとに1位は1000万円、2位は500万円、3位は300万円となる。

今回のコンテストの審査員
今回のコンテストの審査員[クリックで拡大] 出所:NEDO

公募テーマの概要

 「LiB検出装置(ポータブル型・設置型)の開発」では、不燃ごみあるいは容器包装プラスチックごみへの混入など、分別で誤ったごみの区分に混ざったLiBやLiBが使用された小型製品を処理工程に入る前に検知する装置で、検知によりLiBの発火と発煙を防ぎ、資源物として選別できるものの応募を期待している。

 例えば、LiBが使用された製品向けのポータブルな検知装置で、廃棄物の収集運搬車両(パッカー車両)に装備するものやLiBが搭載された製品の検知装置で、廃棄物処理やリサイクル施設の処理工程に設置するものを想定している。

 「LiBの発火危険性の回避・無効化装置の開発」では、LiBの回収、運搬、処理の工程での発火危険性を回避/無効化するための装置で、発火能力を低下させた状態のLiBのみを受け入れるものの応募を期待している。あるいは、発火能力の有無にかかわらず回収したLiBを放電や電解液除去などで発火能力を無効化し、安全なリサイクル資源とするものの応募を望んでいる。

 例えば、家電量販店などでLiBを回収する際に、放電済みLiBのみを選択して受け入れる装置や、その他の方法によりLiBの安全な回収を実現する装置を想定している。さらに、廃棄物処理とリサイクル施設の処理工程や家電量販店などで、回収したLiBの放電、電解液の除去、その他の方法により発火能力を失わせる装置に期待している。

両テーマで期待される装置
両テーマで期待される装置[クリックで拡大] 出所:NEDO

両テーマの審査ポイント

 評価されるポイントとしては、「LiB検出装置(ポータブル型・設置型)の開発」の1次審査では、2024年3月時点で一般発売されていない点、2024年12月の成果確認審査で稼働テストが行える点、製品化時に装置を利用/管理する人が高度かつ専門的な知識を必要としない点を挙げている。

 「LiBの発火危険性の回避・無効化装置の開発」でも、「LiB検出装置(ポータブル型・設置型)の開発」と同様のポイントが評価される他、装置へのインプット物とアウトプット物の状態を確かめられる点も挙げている。

 なお、既に一般発売されている装置に追加的な機能改善を行いバージョンアップするなど、今回の事業を通じて新たな技術開発を行う計画であれば応募可能としている。さらに、装置の定期的なメンテナンスや保守のための作業/サポートについては高度かつ専門的な知識があってもよいとしている。

両テーマの第1次審査で評価されるポイント
両テーマの第1次審査で評価されるポイント[クリックで拡大] 出所:NEDO

 2次審査では、それぞれのテーマに合わせて開発された装置の対象製品や安全性、資源性、コスト、取り扱いやすさ、設置しやすさ、処理速度、環境負荷、適法性を評価する。

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