東武ストアが指静脈による手ぶら決済を開始、酒類対応でセルフレジ利用率60%も:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
東武鉄道と日立製作所は、両社が共同開発する生体認証を活用したデジタルアイデンティティーの共通プラットフォームを採用する初の事例として、東武ストアの越谷店に指静脈認証によるクレジットカード決済が可能なセルフレジを導入し、報道陣に公開した。
東武鉄道と日立製作所(以下、日立)は2024年4月11日、両社が共同開発する生体認証を活用したデジタルアイデンティティーの共通プラットフォームを採用する初の事例として、東武鉄道傘下の食品スーパーである東武ストアの越谷店(埼玉県越谷市)に指静脈認証によるクレジットカード決済が可能なセルフレジを導入し、報道陣に公開した。このセルフレジでは、酒類などの年齢確認が必要な商品も購入可能なことから、指静脈認証の登録顧客が一定数まで増加すればセルフレジ利用率を現在の約45%から60%にまで高められると想定している。
東武ストアにおける指静脈認証に対応したセルフレジの導入は、今回の越谷店を皮切りに、2024年4月25日13時からみずほ台店(埼玉県富士見市)、同年5月9日13時から新河岸店(埼玉県川越市)の3店舗を対象に順次進められる。3店舗とも、東武鉄道の駅直結の店舗だ。
指静脈認証によるクレジットカード決済を行うには、日立提供の専用サイト「アイデンティティポータル」への属性情報(氏名や生年月日、住所、電話番号、メールアドレス)やクレジットカード、自動連携したいポイント会員情報などを事前に登録する必要がある。その上で、東武ストアの越谷店をはじめ利用店舗内の特設カウンターで運転免許証やマイナンバーカードで本人確認を行ってから専用装置で指静脈を登録し、事前登録した個人情報データとひも付ければ、登録作業は完了する。
なお、指静脈の登録では、人差し指と中指、薬指の3本分を左手と右手でそれぞれ登録する必要がある。東武ストアのセルフレジの導入する指静脈認証装置は、非接触型で3本の指を用いるタイプであり、本人認証ができない認証失敗率は1万分の1、本人ではない他の人を認証してしまう誤認証率は6250万分の1と極めて低いが、これは3本の指を使用しているためだ。なお、指1本で指静脈を行う場合の誤認証率は200万分の1である。
また、3本分の指静脈を左手と右手でそれぞれ登録する理由は利便性のためだ。東武ストア越谷店はセルフレジの左側に指静脈認証装置が置かれているため、左手で認証を行う方が決済がスムーズに行えるが、今後採用する店舗や業種が広がる中では右手で認証を行う方が簡単な場合もあり得る。また、ケガなどで一方の手が使えない場合も、両手で登録しておけば指静脈認証による決済が行えないことはない。
今回の東武ストアにおける指静脈決済の導入促進では、東武ストアをはじめとする東武鉄道グループのポイント会員サービス「TOBU POINT」が最大5000ポイント得られるキャンペーンを行っている。このポイントを取得するためには、先述した登録作業でTOBU POINTとの連携を行っておく必要がある。
最大5000ポイントの内訳としては、登録で2000ポイントが付与され、東武ストアでの指静脈認証の利用で決済金額(税別)の20%、合計で最大3000ポイントがキャッシュバックされる。登録によるポイント付与は越谷店が4月11〜24日、みずほ台店が4月24日〜5月8日、新河岸店が5月9〜22日、利用によるポイントキャッシュバックは越谷店が4月11〜30日、みずほ台店が4月24日〜5月14日、新河岸店が5月9〜28日となっている。
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