複雑な多面形状も短時間検査、カメラやセンサーを組み合わせた3次元AI外観検査装置:製造現場向けAI技術
OptoCombは、3次元AI外観検査装置「OptoComb AIC」シリーズを発表した。画像カメラ、光コム3次元センサー、AI、ルールベースの各技術を組み合わせることで、複雑な多面形状でも高効率かつ確実な外観検査ができる。
OptoCombは2024年3月14日、3次元AI(人工知能)外観検査装置「OptoComb AIC」シリーズを発表した。多面複雑形状、平面複雑形状、平面板状形状のワークに対し、高速かつ高精度な自動検査が可能になる。
新シリーズは、画像カメラの撮像スピード、光コム3次元センサーによる3次元データ化、AIの不良検出能力、ルールベースによる定量化能力を組み合せることで、高効率かつ確実な外観検査ができる。複雑な多面形状の3次元自動外観検査を3ステップの短いタクトタイムで実行でき、従来のソリューションでは困難だった全数検査への対応が可能になる。
3次元定量化は、検査自動化による省人化に加え、歩留まりの改善や前後工程へのフィードバックを可能にし、無駄のない加工への取り組みなどを支援する。また、近年増えてきているモジュール製品群への対応として、機電一体型電動部品の半田検査、コネクター一体成型品のピン曲がりやピン高さ検査など、中、小型部品への適応も期待される。
従来の3次元センサーによる外観検査では、検査時間が4〜5分と長く、外観不良の判定精度が高くないなどの課題があった。OptoComb AICは検査時間を6.5秒まで短縮でき、高い判定精度を備える。
標準機「OptoComb SA」に画像カメラを搭載した「OptoComb AIC S」、ロボットアームに取り付けた「OptoComb AIC R」の2種類に加え、検査ヘッドシステムとしての提供にも対応する。
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