半導体後工程工場をインドに建設へ、ルネサスら3社が合弁会社を設立:工場ニュース
ルネサス エレクトロニクスら3社は、インドにOSAT工場を建設する合弁会社を設立するため、合弁契約を締結した。同工場では自動車、IoT、5Gなど向けに従来型パッケージから先端パッケージまでを生産する。
ルネサス エレクトロニクスは2024年3月1日、CG Power and Industrial Solutions、Stars Microelectronicsと共同で、半導体製造の後工程を請け負うOSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)工場を建設、運営するための合弁会社を設立すると発表した。
3社は既に合弁契約を締結しており、同年2月29日にはインドの連邦内閣が同合弁会社のプロジェクトを承認している。
新たな合弁会社では、ルネサスが先端半導体の技術や知見を提供し、CG Powerがインド国内の半導体製造能力の向上およびエコシステムの構築を担う。Stars Microelectronicsは、従来型パッケージ技術やトレーニング、人材育成プログラムなどを担当する。
出資比率はCG Powerが92.3%、ルネサスが6.8%、Stars Microelectronicsが0.9%となる。今後5年間で、760億インドルピー(約1351億円)を投資する。
同合弁会社は、インドのグジャラート州サナンドにOSAT工場を建設し、自動車、IoT(モノのインターネット)、5Gなど向けの幅広い製品を製造する。パッケージはQFNやQFPなどの従来型から、FC-BGA、FC-CSPなどの先端パッケージまで生産し、1日当たりの生産能力を1500万個まで増強する計画だ。
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