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外観検査を効率化するMLA技術や多種AMRの一括制御技術など、OKIが新技術を公開イノベーションのレシピ(1/2 ページ)

OKIは、技術開発拠点であるOKI蕨システムセンター(埼玉県蕨市)で、研究開発中の先端技術や取り組みを紹介する「OKI OPEN LAB 2024」を開催した。

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 OKIは2024年2月21日、技術開発拠点であるOKI蕨システムセンター(埼玉県蕨市)で、研究開発中の先端技術や取り組みを紹介する「OKI OPEN LAB 2024」を開催した。本稿では、その中でマイクロレンズアレイ(MLA)技術、自律移動ロボット RATシステムなどについて紹介する。

オープンイノベーションで先進技術のビジネス化を推進

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OKI 代表取締役社長執行役員 兼 CEOの森孝廣氏

 OKIは、2023年5月に2025年度(2026年3月期)までの中期経営計画を発表し「新たな成長の芽」を生み出す取り組みを強化する方針を示している。さらに2023年11月には、この新たな芽を組織的に生み出すためのイノベーション戦略についても発表。「全員参加型イノベーション」を推進するとともに、外部との積極的な交流により、OKIが保有する技術を磨き上げていく方針について示している。今回開催した「OKI OPEN LAB 2024」もその一環となるもので、OKIが現在研究開発を進めている先進技術や要素技術を公開することで新たなイノベーションにつなげていく狙いだ。

 OKI 代表取締役社長執行役員 兼 CEOの森孝廣氏は「OKIは今まで閉鎖的で全てを自社内でやりすぎてしまう傾向があった。しかし、ビジネスを大きく成長させることを考えると外の知恵が重要になり、そこが弱かった。『OKI OPEN LAB』はオープンイノベーションを意識したものだ。われわれの取り組みを積極的に外部に示していくことで、一緒に新たな価値を作り出していけるようにしたい。もちろん先進技術を外部に公開するリスクもあるが、安全運転しすぎずに広くチャンスをつかみ取っていく」と力を込める。

独自のマイクロレンズアレイ技術で外観検査の効率化を実現

 紹介された技術の中で独自性や応用の幅の広さから注目を集めたのが、マイクロレンズアレイ(MLA)技術を応用した独自の産業用カメラレンズだ。この独自のMLA産業用カメラレンズ技術は、同社がLEDプリンタで培った技術を生かしたもので、複数のレンズから得られる情報を生かして、レンズからの距離が異なる対象物なども同時に焦点が合わせられ、さらに角度なども調整して画像化することが可能となる。例えば、電子基板のように、高さのある部品とない部品が混在するような場合でも全ての部品に焦点をぴったり合わせることができる他、角度の傾きもないため、正確に検査などが行える。

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独自のMLA技術を生かした産業用カメラレンズで撮影した基板検査画像(上)と通常カメラの画像(下)の比較。独自技術では全ての部品に焦点が合い、角度も真上からに調整されている[クリックで拡大] 出所:OKI

 通常のコンタクトイメージセンサー(CIS)の約5倍の被写界深度を持ち、被写体からセンサーまで50mm以下でも撮像できるため、省スペース化が可能だ。従来のレンズ構成に比べると約3分の1程度のサイズに低減することが可能だという。

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レンズ構成の比較。MLAエリアカメラは焦点距離が短くレンズ構成もシンプルで、大幅な省スペース化が可能だ[クリックで拡大]

 視野は最大20mm程度だが、複数のカメラを組み合わせることで、ベルトコンベヤーで流れてくる対象物をインラインで検査することなども可能だ。被写界深度の許容量も高いため、ベストの位置から5mmずれてもボケが少ない精緻な撮像を行えることも特長だ。

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産業用カメラレンズでベスト位置とベスト±5mmの位置で撮影した時の比較。独自のMLA技術を生かした産業用カメラレンズではボケが少ないことが分かる[クリックで拡大] 出所:OKI

 利用シーンとしては長被写界深度を生かし、立体物検査への応用を進める。革新的なラインスキャンカメラなどへの活用を想定する。また、省スペースな利点を生かし、装置内組み込み検査用カメラなどへの活用も期待する。「レンズやカメラの組み合わせ次第では、これら以外でもさまざまな使い方が想定できる」(説明員)としている。今後は、社内製品への応用を検討し製品力向上を推進し、2026年度(2027年3月期)にレンズの外部提供を開始する計画だとしている。

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