検索
ニュース

LIXIL“100周年”の新型トイレは「極みトリプル水流」で便器内側を隅々まで洗うイノベーションのレシピ(1/2 ページ)

LIXILが新型タンクレストイレ「SATIS X」を発表。水流によって便器内側を洗浄する仕組みを抜本的に見直した「極みトリプル水流」を採用するなどして、日常生活におけるトイレ掃除の負荷を大幅に削減できることを最大の特徴とする。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 LIXILは2024年3月6日、東京都内で会見を開き、新型タンクレストイレ「SATIS X」を発表した。水流によって便器内側を洗浄する仕組みを抜本的に見直した「極みトリプル水流」を採用するなどして、日常生活におけるトイレ掃除の負荷を大幅に削減できることを最大の特徴とする。同社のタンクレストイレ「SATISシリーズ」の新たなフラグシップモデルとして同年6月3日に全国で発売する。メーカー希望小売価格(税別、工事費別)は49万7000円から。SATIS X発売から2年後に、SATISシリーズ全体で従来比1.2倍の販売台数を目指す。

LIXILの新型タンクレストイレ「SATIS X」の新機能「極みトリプル水流」で便器内側を流す様子[クリックで再生]

 LIXILの水まわり/タイル事業の前身は1924年創業の伊奈製陶だ。INAXのブランド名で知られる同社の製品のうちトイレでは、1967年に発売した国産初のシャワートイレ「サニタリイナ61」や2001年発売のタンクレストイレ「サティス」などで業界をリードしてきた。LIXIL 執行役専務でLIXIL Water Technology Japan(以下LWTJ)担当の大西博之氏は「LWTJが手掛ける水まわり/タイル事業が100周年を迎えるが、次の100周年に向けてイノベーションを続けて成長を持続させる。2013年に米国のAmerican Standard、2014年に欧州のGROHEを買収したことで、欧米やアジア、中国など世界市場での事業展開も拡大している。海外事業を統括するLIXIL Internationalとのシナジー創出を推進しつつ、今回発表するSATIS Xに代表されるLWTJの最新技術を日本国内だけにとどまらず海外にもいち早く展開できる体制を整えていく」と語る。

会見の登壇者と「SATIS X」
会見の登壇者と「SATIS X」。登壇者は左から、LIXILの大西博之氏、水谷優孝氏、田中伸幸氏[クリックで拡大]

 中でもシャワートイレについては中国市場が急拡大しており、足元で年率2割以上の勢いで成長しているという。LIXILも2022年に中国江蘇省の蘇州市にシャワートイレの新工場を設立して需要に対応する方針であり、同工場に上海の拠点から開発組織の一部を移管するとともに、LWTJとLIXIL Internationalの水まわりの要素技術開発の一部機能を統合するなど、最新技術の海外展開を加速する体制の構築が進んでいる。

急速に拡大するシャワートイレの中国市場に対応すべく蘇州市に新工場を設立した
急速に拡大するシャワートイレの中国市場に対応すべく蘇州市に新工場を設立した[クリックで拡大] 出所:LIXIL

「便器の洗浄方法を大きく変えることに成功した画期的なトイレ」

 今回発表したSATIS Xは、トイレに関する先進技術開発をけん引してきたLIXILが、構想から8年をかけて開発した新製品となる。LIXIL 常務役員でLIXIL Water Technology Japan トイレ空間事業部 事業部長の水谷優孝氏は「水まわり/タイル事業の100周年の節目に、トイレの『清掃性』を高める新たなソリューションを提案したい。便器の洗浄方法を大きく変えることに成功した画期的なトイレであり、INAXの『X』でもある未知への挑戦をかたちにした取り組みとなる」と強調する。

100周年の節目となる「SATIS X」
100周年の節目となる「SATIS X」[クリックで拡大] 出所:LIXIL

 トイレは、シャワートイレやタンクレストイレなどさまざまな形で進化を遂げ利便性を向上してきたが、現在も利用者にとって大きな課題になり続けているのが「トイレ掃除」だ。特に、トレイ掃除で最も負荷が大きいのが便器の内側の清掃であり、LIXILが行った「トイレで最も気になるイヤな汚れは?」という調査でもトップ項目に挙げられている。

トイレ掃除で最も大変なのは便器の内側
トイレ掃除で最も大変なのは便器の内側[クリックで拡大] 出所:LIXIL

 LIXIL LIXIL Water Technology Japan トイレ空間事業部 トイレ空間商品部 部長の田中伸幸氏は「当社としても汚れを落としやすい衛生陶器や継ぎ目のない便座をはじめ、トイレの清掃性を高める取り組みを進めてきたが、便器内側の清掃性については十分に対応できてはいなかった。掃除ロボットや食器洗い乾燥機などの時短家電が当たり前になり、トイレ掃除でも同様にタイムパフォーマンスが重視されている。SATIS Xは、便器内側の『目に見える汚れ』と微生物やハウスダストなどの『目に見えない汚れ』、どちらの汚れも自ら落とすことを目指して開発した」と説明する。

便器には「目に見える汚れ」と「目に見えない汚れ」が存在
便器には「目に見える汚れ」と「目に見えない汚れ」が存在[クリックで拡大] 出所:LIXIL

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

       | 次のページへ
ページトップに戻る