従来比50%スぺ―スを削減する電源用SPD、豊田高専とのコラボ展示も:FAニュース
PHOENIX CONTACTは「IIFES 2024」において、カーボンスパークギャップ式の電源用SPDなどを出展した。
PHOENIX CONTACT(フエニックス・コンタクト)は「IIFES 2024」(2024年1月31日〜2月2日、東京ビッグサイト)において、カーボンスパークギャップ式の電源用SPD(Surge Protective Device、サージ保護デバイス)などを出展した。
避雷器とも呼ばれるSPDは、落雷時に発生する瞬間的な過電圧や過電流である雷サージから機器を守る役割を持つ。フエニックス・コンタクトが新たに発売したカーボンスパークギャップ式の電源用SPD「FLT-MB」は最大全幅72mmとなっており、従来製品比半分のスペースに設置できる。最大100kAの高い放電性能を持ち、続流やもれ電流のないカーボンスパークギャップ式を用いてサージ電圧を1.5kV以下に制限。配電設備や固定設備だけでなく、サージ被害を受けやすい制御機器まで保護することが可能になった。
シングルペアイーサネット(SPE)対応のマネージドスイッチ「FL SWITCH 2303-8SP1」も展示した。SPEは2芯、1ペアのケーブルで最長1000m先のデバイスに最大1Gbpsの高速通信が可能となる技術だ。FL SWITCH 2303-8SP1はIEEE 802.3cg規格の10BASE-T1Lに対応している。PoDL(Power Over Data Line)機能によりSPE機器への給電もできる。8つのSPEポートと、10、100、1000Mbpsの通信が可能なRJ45ポートも3ポート備えている。また、TSN(Time-Sensitive Networking)対応のマネージドスイッチ「FL SWITCH TSN 2316」も参考出展した。
豊田工業高等専門学校の都築研究室と三共電機による「xplore 2023の技術をスマート工場へ」のデモ展示も行った。
xploreとはフエニックス・コンタクトが3年に1度開催している国際的なイベントで、エネルギー、インフラ、ビル、モビリティー産業に向けたスマートテクノロジーなど10のカテゴリーで学生や社会人など幅広い年齢層のチームが技術的なアイデアとソリューションを競う。
xplore 2023には、日本からは豊田工業高等専門学校、国際高等専門学校の2チームが応募し、第一次選考を通過した。豊田工業高等専門学校は「環境情報を活用した行動変容の促進とCO2排出量を削減するシステムの開発」というテーマで発表を行ったが、三共電機と共同で製作した今回のデモ展示は、xplore 2023で発表した技術をさらに改良したシステムとなっている。
具体的には、MQTT通信を活用して部品を探す時間を削減する新しいデバイスの開発と、クラウド上でのデータ管理を通じた生産性の向上を促すシステムとなっている。タブレット端末上で必要な部品を選択すると、該当する部品の箱に入ったQRコードリーダーが音を鳴らして知らせる。コントローラーも置かれているが、実際にはプログラムはクラウド上で動ている。
「今後、センサー自体がよりインテリジェント化し、IPアドレスを持つようになると、PLCなどを使わなくてもクラウドから直接センサーと会話できるようになる。そういった活用のプロトタイプになっている」(フエニックス・コンタクトの説明員)
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